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COP29開催でも話題!気候変動の影響により大きく変化する海洋事情!

共同通信PRワイヤー / 2024年8月20日 14時0分


「5年間で獲れる魚種が大きく変化」予測不能な魚種の変化への対応と“一船買い”契約


日々漁師と共に活動されている愛媛県漁業協同組合魚島支所の塩見さんに、実際の漁場でどのような事象が起こっているのか、また漁場の変化に対してどのような対策を考えているか、お話を伺いました。


――近年、魚島で獲れる魚に変化はありますでしょうか。

 これまで魚島で獲れる魚の1位は真鯛、2位はカレイ類でしたが、直近2年ほどは瀬戸内海で獲れなかったハマチが増えて2位の漁獲量となるなど、獲れる魚の種類が変化しています。海水温の上昇に加え、海の生き物のエサになるプランクトンの成長に必要な窒素やリンなどが減り、5年ほど前から海底にいるエビ類・マコガレイ・タチウオなど価格の高い魚介類が獲れなくなり、漁師の収入は減少傾向にあります。


――ほかに気候変動の影響と考えられることはありますか。

 海水の温度が高くなったことでクラゲも異常発生しており、網にかかるとほかの魚が傷ついたり、重くて網が揚げられなかったり等の問題が発生しています。これも気候変動と関係があると感じています。


――獲れる魚が変化していく中、どのような対応が考えられますか。

 獲れる魚の予測ができないことに苦心していましたが、2017年からはくら寿司さんと定置網で獲れた魚を種類ではなく、重量に応じて年間契約で決めた価格で買い取ってもらう「一船買い」契約を結び、魚種・魚価に変動があっても、安定した収入を得ることができています。また、出荷の準備などをチームで行うため、漁師間の絆も深まったと思います。さらに、研修生を迎えるなど後継者のことも考えられるようになりました。これまで、研修生が技術を習得して漁師になっても、売り先を自分で見つける必要がありましたが、一船買いをしているからこそ、一人前になった後も売り先(くら寿司)があり、獲ることに専念することができるのは大変ありがたいです。


 気候変動への対応としては、魚への直接的な対策だけでなく、昨今注目が集まっている海業(うみぎょう)※も一つのアプローチだと考えています。若手漁家を受け入れるに当たって、空き家をゲストハウスとして改修し、若手漁家への下宿サービスおよび観光客への民宿サービスを展開することを検討しています。漁業だけでなく、魅力ある海の資源を生かして、観光業など他の産業も巻き込み、持続可能な漁村・島の在り方を考えていきたいです。

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