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ネイチャーポジティブな循環型社会を創る!発電型のバイオ炭生産技術

共同通信PRワイヤー / 2024年10月31日 14時0分


なお、この技術の詳細は、2024年9月24日に「Energy Conversion and Management: X」にオンライン掲載されました。


下線部は【用語解説】参照


※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。

正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ

https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2024/pr20241031/pr20241031.html )をご覧ください。


開発の社会的背景

2050年までに温室効果ガス排出をゼロにするカーボンニュートラルな社会の実現に向けて、CO2を実質的に吸収する「ネガティブエミッション技術」が求められています。バイオ炭は、植物が大気中から吸収したCO2を長期間固定できるため、有効なネガティブエミッション技術の一つです。しかし、従来の炭化炉では、炭化時の熱の有効利用の検討が十分でなく、廃熱は有効利用されず大気中に排出されていました。


また、日本の森林資源の有効活用も課題となっています。日本の国土の約7割を森林が占めています。そのうちの約4割が人工林であり、森林資源は人工林を中心に毎年約6千万m3増加しています*1。毎年発生する森林資源のうち約970万トンが間伐や主伐後に搬出されない林地残材であり、その約71%は未利用のまま森林内に放置されています*2。こうした未利用材は、バイオマス資源として大きなポテンシャルを持っていますが、収集・運搬コストの高さにより、その活用が進んでいませんでした。また、電力インフラが整備されていない地域での利用を考えた場合、自立的な電力供給源の確保が重要な課題となっていました。


研究の経緯

産総研 ゼロエミッション国際共同研究センターでは、熱電変換材料の高性能化と熱電変換モジュールの発電性能評価技術に関する研究開発を進めており、ネガティブエミッション技術への応用例としてバイオ炭化炉への熱電発電技術搭載を検討してきました。また、省エネルギー研究部門では、産業分野や運輸分野における未利用熱の活用技術の開発を行ってきました。


今回、カーボンニュートラルに向けて、熱電発電技術を応用した新たな価値創出を目指し、バイオ炭生産プロセスの廃熱を電力に変換する新たなシステムを提案しました。


研究の内容

今回開発した技術は、小型炭化炉に熱電変換ユニットと断熱材を組み合わせて、バイオ炭生産と廃熱発電を同時に行います(図1)。従来の炭化炉では、数時間かかる炭化プロセスにおいて、発生する廃熱が大気中に放出されていましたが、本技術では炉壁に設置した熱電変換ユニットがこの熱を電気に変換します。

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