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ネイチャーポジティブな循環型社会を創る!発電型のバイオ炭生産技術

共同通信PRワイヤー / 2024年10月31日 14時0分


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410298971-O2-iZcYu218


ラボスケールのバイオマスストーブを用いて、熱電変換ユニットの性能評価を行いました。実験では、70 mm × 70 mmサイズの熱電変換ユニットを使用し、ストーブの表面温度と発電量の関係を調査しました。熱電変換ユニットはストーブ外表面に取り付けられ、ストーブ取り付け面と反対面には外気と熱交換を行うためのピンフィンヒートシンクが取り付けられた構造になっています。このピンフィンヒートシンクの採用により、外気との熱交換効率が大幅に向上するため、熱電変換ユニットを流れる熱量が増加し、発電量を高めることができます。自然空冷式のヒートシンクを冷却に採用することで、ファンなどの追加の電力を必要とせず、外気との効率的な熱交換を可能にしました。その結果、ストーブ表面温度が181 ℃の場合、熱電変換材料に約75 ℃の温度差が生じ、1.4 Wの発電が可能であることを確認しました(図2)。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410298971-O3-Vt2OpwJG


前述のラボスケールの検証結果を基に小型炭化炉の概念設計と熱・物質収支解析を行いました。熱電変換ユニットと断熱材が存在しないベースモデルに対して、これらの要素が加わった新しい小型炭化炉構造を想定し、その効果を定量的に評価しました。熱電変換ユニットの性能を最大限に引き出すため、ユニットの設置面積と冷却条件を最適化しました。具体的には、縦・横・高さが各2 mの炭化炉の表面のうち、2 m²に熱電変換ユニットを設置し、残りの部分には断熱材を使用して保温することで、バイオ炭の生産性と発電量の最適な条件を見いだしました。今回、バイオマス原料として乾燥したミズナラ(日本原産のナラ)を想定し、ミズナラ1093 kgを使用して、500~1000 ℃の範囲での炭化処理を実施する場合の熱・物質収支を解析した結果、比較的低温の500 ℃で炭化処理を行った場合に、バイオ炭の生産性が最大になることがわかりました。この条件下では277 kgのバイオ炭を生産することができ、このバイオ炭に固定される炭素の量をCO2に換算すると916 kgに相当します。さらに、炭化プロセス中に0.92 kWの連続発電が可能であることを示しました(図3)。この発電量はLED電球(100 W型)約90個を同時に点灯できたり、空気供給用ブロアを2~3台程度稼働できたりする電力です。本解析手法によると、断熱構造を持たないベースモデルの小型炭化炉では熱損失が大きく燃焼用に原料を189 kg投入する必要があり、投入されたバイオマス質量に対して、バイオ炭として固定される炭素量をCO2に換算した割合(CO2固定比率)は77.0%となっていました。本技術では、断熱材の効果で燃焼用原料を92.8 kgまで低減することができたため、炭化プロセス中に連続発電を行った場合でもCO2固定比率が83.8%になると試算されました。

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