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メタン生成アーキアに寄生するバクテリア

共同通信PRワイヤー / 2025年2月11日 1時0分

メタン生成アーキアに寄生するバクテリア

未知バクテリアの巨大系統群「CPR」に属する超微小バクテリアの培養に成功


ポイント

・ メタン生成アーキアに寄生する超微小バクテリアの培養に世界で初めて成功

・ 培養に成功した種のメタン生成アーキアへの特異な寄生プロセスを観察

・ 培養に成功した種を「ミニシンコッカス アーカエイフィルス」、およびこの種が属する未知バクテリアの巨大系統群「CPR」を新門「ミニシンコッコータ」と命名


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502063906-O1-03fbkJF6


概 要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)生物プロセス研究部門 微生物生態工学研究グループ、黒田恭平 主任研究員、中島芽梨 技術研修員、成廣隆 研究グループ長らと、国立研究開発法人海洋研究開発機構のMasaru K. Nobu(延優)主任研究員は、北海道大学、東北大学と共同で、メタン生成アーキアに寄生する超微小バクテリアの培養に成功し、新属新種として記載しました。


共同研究グループは、廃水処理システムの研究において中心的な役割を担う微生物(メタン生成アーキア)に寄生してその生理活性を低下させるバクテリアを、世界に先駆けて発見しており、今回その培養に成功しました。本研究は、約40億年前に進化的に分かれ、細胞膜脂質や遺伝子情報などが生物学的に大きく異なっているアーキアに寄生するバクテリアを培養した世界初の例です。「ミニシンコッカス アーカエイフィルス(Minisyncoccus archaeiphilus)」と命名したこのバクテリアは、寄生できる宿主の範囲が非常に狭く、宿主アーキア特有の部位にのみ感染することが観察されました。


さらに、「ミニシンコッカス アーカエイフィルス」が属する未知バクテリア巨大系統群である「Candidate phyla radiation (CPR)」を新門「ミニシンコッコータ(Minisyncoccota)」と命名しました。本研究において系統学的に整理し、分離株を公的菌株保存機関へ寄託することにより、CPRに関する研究が進み、これまで謎に包まれていたCPRに属するバクテリア(以下、CPRバクテリア)の生理や生態学的役割の理解が進むことが期待されます。


なお、この成果の詳細は、2025年2月10日(グリニッジ標準時)に科学雑誌「International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology」に掲載されます。

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