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「外で迷惑をかけるくらいなら」幼子抱えた孤独から「おせっかいに助けていく」転機はどこに

京都新聞 / 2024年4月10日 7時30分

「ツナグ」の活動を振り返る井戸田さん(草津市大路1丁目)

 井戸田聖子さん(42)は、市民目線で行政の子育て支援策や医療機関など親が欲しいと思う情報を伝える冊子を滋賀県草津市で仲間とともに発行してきた。市民公益活動団体「まちのコミュニティハブ ツナグ」で代表を務め、子育てイベントも開催。活動の原点には、母親として悩んだかつての姿も重なって見える。

 自身は高校1年の娘と中学1年の息子がいる。ただ、振り返れば子育てで孤独を感じた時期もあった。出産で辞めた会社のつながりがなくなったり、今まで通りの友達付き合いができなくなったりして、「ママは社会的に何にも属していない」と感じたという。

 幼子を抱え「外に行って迷惑をかけるくらいなら、ひとりぼっちでいい」とさえ感じている中、幼稚園でママ友ができて世界が広がった。公園の場所から評判の歯医者まで、たくさんの情報が入り、「社会に属した感じ」を取り戻したという。

 今につながる転機は2019年。仲間の提案で、冊子「ママパスポート」を作ることになり、ツナグを設立。守山市で発行する団体の指導を受け、最初は2千部を発行した。今年春で第19巻を数え、「子どもが小さい時に読んでいた、というママさんに会うこともある」と笑顔を見せる。

 1月には草津市立市民総合交流センター「キラリエ草津」で「子育て応援フェスタ」を開いた。約600人が集まった同フェスタに込めた思いも、子どもを楽しませつつ「ママと市の距離を近づけたい」という願いだ。自身が母親になった時の経験は今も生きている。

 子育て世代に人気で人口が増える草津市だが、保護者間のつながりが薄くなったという指摘もある。「誰かに助けてもらうと人のために何かしようと考えると思う。だから、私たちはおせっかいに助けていく。迷惑をかけ、かけられるつながりで社会が良くなる」。同市西渋川2丁目。

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