GW中にイッキ観したい「ガンダム」作品はコレだ! 予備知識ナシでOKの選りすぐり3作
マグミクス / 2024年5月3日 6時25分
■新たなガンダムファンを獲得したシリーズ最新作
「ガンダム」シリーズが始まって45年が経ち、膨大な数のアニメーション作品が作られてファンを楽しませてきました。しかし今から「ガンダム」を観ようとすると、何から観ていいのか分からない方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、ゴールデンウィーク中に観るのにおすすめめの3作品を挙げてみました。
●『機動戦士ガンダム 水星の魔女』
2022年から2023年にかけて2シーズン全24話が放送された『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は、「ガンダム」に興味を持った方にはおすすめの作品です。バンダイナムコフィルムワークスの岡本拓也プロデューサーが、10代の方から「ガンダムは、僕らのものじゃない。僕らに向けたものではない」と言われショックを受け、次の世代の少年少女へ向けた作品という方向性で作られたため、過去の「ガンダム」シリーズとの関連性は一切無く、完全に独立した作品として観ることが出来ます。
数多の企業が宇宙へ進出した時代、ある日モビルスーツ(MS)産業最大手の「ベネリットグループ」が運営する「アスティカシア高等専門学園」に、辺境の星である水星から「スレッタ・マーキュリー」を名乗るひとりの少女が編入してきました。
スレッタはその純朴さと圧倒的なMS操縦能力で一躍、注目の的となり、ベネリットグループ総裁のひとり娘である「ミオリネ・レンブラン」を始めとする周囲の人間と良好な関係を育んで行きます。一方、それまでエースパイロットとして君臨していたジェターク社の御曹司「グエル・ジェターク」は、スレッタとの決闘に敗れたため立場を失い、やがて学園から姿を消してしまいます。
スレッタはなぜそんなに強いのか。MSのコックピットで語り掛けている相手は誰なのか。そもそもスレッタとは何者なのか。
グエルはどこへ行ったのか。何をしているのか。何をしてしまったのか。
事実上のダブル主人公であるふたりは、どのように成長していったのか。周囲の人たちをどう変えて行ったのか。学園の生徒たちと親世代を取り巻く過去と恩讐はどのような決着を見るのか。
非常に観ごたえのある群像劇が展開される『機動戦士ガンダム 水星の魔女』をご覧になってみてください。
■TVアニメの劇場版でイッキ観! 『Gレコ』『ファースト』
●『Gのレコンギスタ』劇場版 全5部
「劇場版『Gのレコンギスタ IV』「激闘に叫ぶ愛」Blu-rayパーフェクトパック」(バンダイナムコフィルムワークス)より、ヒロインのアイーダ (C)創通・サンライズ
2014年にTV放送された『ガンダム Gのレコンギスタ』を再構成、ブラッシュアップした劇場版『Gのレコンギスタ』全5部もおすすめの作品です。現状、富野由悠季監督が直接手掛けた最後のガンダム作品であり、制作開始時点で55年以上もアニメに携わってきた熟練の極みが遺憾なく発揮されています。
物語の舞台は『機動戦士ガンダム』シリーズが展開された「宇宙世紀」の延長上の未来「リギルド・センチュリー」で、「MS」や「ミノフスキー粒子」などシリーズ共通の技術や設定が登場するのも大きな特徴です。
主人公の「ベルリ・ゼナム」は、宇宙から供給される唯一のエネルギー源「フォトン・バッテリー」を搬入する軌道エレベータ「キャピタル・タワー」を守る「キャピタル・ガード」の候補生でした。日々、訓練に明け暮れていたある日、MS「G-セルフ」の襲撃を受けたベルリは、奮闘の末にこれを鹵獲することに成功し、同機パイロットの「アイーダ・レイハントン」と名乗る少女を捕虜とします。アイーダに惹かれるものを感じたベルリ、この日から彼を取り巻く運命は大きな変化を見せるのでした。
●『機動戦士ガンダム』劇場版 全3部
全「ガンダム」作品の原点である『機動戦士ガンダム』を劇場版として再構成した3部作も、おすすめの作品です。近年のアニメに慣れている方の場合、絵に古さを感じるかもしれませんが、内容自体は現代でも十分に通じる面白さを秘めています。
第一部「機動戦士ガンダム(劇場版)」はTV版の1話から14話前半まで。第二部「哀・戦士編」は第16話から第31話前半までを再編集しています。第三部「めぐりあい宇宙(そら)編」は第31話後半から第43話(最終話)までの内容で、TV版の後半で体調を崩し降板したキャラクターデザインおよび作画監督の安彦良和氏が大幅に手を入れており、75%の映像が新規撮影とのことです。
特に注目してほしいのは、第三部の序盤の戦闘シーンです。地球から宇宙(そら)へと上がった「ホワイトベース隊」を追撃する「シャア・アズナブル」は、かつての部下、「ドレン大尉」と連絡を取り挟み撃ちにしようと画策、「ホワイトベース」は前方に展開する3隻のムサイ級軽巡洋艦とMS「リック・ドム」6機を突破するために戦闘へ突入するのでした。このシーンは、作画と演出の双方が完成された美を見ているかのような出来栄えであり、アニメが進化していく中でひとつの壁を越えた、伝説とも呼べるものとなっています。
(早川清一朗)
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