振り返るとヤツがいた!『ピクミン2』 トラウマものの"原生生物"との出会い
マグミクス / 2020年4月29日 19時40分
■ピクミンの”個性”にフォーカス
「赤ピクミンは火に強い~青ピクミンは溺れない~♪」
どこか懐かしさを感じる音楽に、優しげな女性ボーカルの声色。気になってテレビを覗き込むと、粘土細工の生物が自分たちの強みをかわいらしくアピールしていました。体色に応じて特徴がハッキリと現れた生物、いわゆる「ピクミン」です。2004年の4月頃は、発売を間近に控えたゲームキューブ用ソフト『ピクミン2』のテレビCMが頻繁に放送されていました。
ちなみに発売当時のCMソング『種のうた』(歌:ストロベリー・フラワー)は、日本の童謡「黄金虫(こがねむし)」を下地として生まれた楽曲。CD総売上枚数90万枚を突破した『愛のうた』(第一作目のCMソング)が”愛を尽くす行為”に焦点を当てたのに対し、こちらは”ピクミン一匹一匹”にクローズアップした歌詞です。そして『ピクミン2』もまた、前作『ピクミン』から正当進化を遂げ、”個性”にフォーカスした作品へと仕上がっていました。
大きな変更点として挙げられるのが日数制限の排除です。『ピクミン』では不時着した惑星から30日以内に脱出する必要がありました。一方の『ピクミン2』はお宝を集めて借金返済という目標こそあれど、基本的には自由きままにフィールドの探索が可能です。冒険心をくすぐる地形に思わぬ潜在価値を秘めたガラクタ……もとい宝の山々との邂逅。「オリマー」と「ルーイ」を交互に操作し、効率よく作業を進めるルート開拓に奔走する日々。日没までの時間があっという間に感じるぐらい、取り組むべき課題とハードルを乗り越えた際の達成感に満ちあふれていたのです。
そんな状況下で頼もしい味方となるのが計5種類のピクミン。おなじみの赤、青、?ピクミンに加え、紫ピクミンと白ピクミンが仲間入りを果たしました。前者はピクミン10匹分のパワーを誇る力自慢。後者は毒に耐性があるほか、自身が食べられてしまっても敵を道連れにする強力な毒素を備えています。重いお宝の運搬は紫ピクミンに任せ、ピクミン全滅の恐れがある毒ガストラップは、白ピクミンだけを連れて行って危うげなく解除する。ピクミンのタイプがふたつ増えただけでも、前作とはひと味違うプレイフィールがもたらされたように思います。
■多くのプレイヤーにトラウマを植え付けた原生生物の恐ろしさ
しかし種類が増えたのは原生生物(敵モンスター)も同じ。特に『ピクミン2』プレイヤーの間でトラウマと名高い「アメボウズ」をはじめ、そうした生物から数え切れないほどの辛酸を舐めさせられました。
『ピクミン2』では地上フィールドに加え、お宝の眠る洞窟などの地下フィールドも調査できます。内部は地場が歪んでいるからか、時間の干渉を気にする必要はありません。慣れてくれば日没を気にせずゆっくりプレイできる場所と言えますが、筆者としては必ずしも落ち着ける場所ではなく、「危険な原生生物のねぐら」といった印象が強く残っています。
上述のアメボウズはその代表例です。水中の城(地下フィールド)を探索中、何の前触れもなく頭上から突然落下。その神出鬼没さもさることながら、見るからに硬そうなローラーを転がし、プレイヤーの命を刈り取らんとばかりに爆走します。そもそも生物なのか? はたまた幽霊の類なのか? 詳細は不明ながらも、容赦なくピクミンを踏み潰す点は事実。お宝を探しに夢中だった筆者は、アメボウズの出現に恐怖と焦燥感を覚え、ピクミン以上に奇妙で不可解な原生生物の深淵を垣間見ました。
『ピクミン2』の登場キャラクターは体長約10~30cmほどで、人間スケールに直して考えればそれほど大きくありません。だとしても、テレビ越しに遭遇した原生生物の体躯、それにピクミンを嬉々として捕食する光景は、現実世界で危険生物に出くわした時の緊張感と同じく、ふと脳裏をよぎっては冷や汗を垂らす、思い出たっぷりの”トラウマ”となりました。
(龍田優貴)
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