難しすぎた『チャレンジャー』 “無敵”の裏技や忘れられないBGM

マグミクス / 2020年10月15日 17時10分

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■ファミコン『チャレンジャー』を知った「コロコロコミック」での特集

 1986年10月15日は、ハドソンからファミコン用ソフト『チャレンジャー』が発売された日です。軽快なBGMに乗りさまざまなマップを攻略していくアクションゲームで、発売前から「コロコロコミック」で紹介されていたため、当時の子供たちは大きな期待を持って迎え入れました。難易度は高めでしたが「無敵」をはじめとした多くの裏技が隠されており、『ファミコンロッキー』にも登場したため今でも印象深いタイトルとして知られています。当時、『チャレンジャー』をプレイしたもののなかなかクリアできず、苦戦した記憶を持つ早川清一朗さんが当時を回想します。

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 1986年の10月には既に「ファミリーコンピュータMagazine」「ファミコン通信」「ファミコン必勝本」「マル勝ファミコン」といったファミコン雑誌が創刊されており、子供たちが手に入れられる情報量は、初期に比べて格段に増えていました。それでも子供たちに最も影響力があった情報源は「コロコロコミック」そして「週刊少年ジャンプ」であることに変わりはありませんでした。それほどお小遣いに余裕があるわけではない子供たちにとっては、マンガとファミコン情報の両方が読める両誌は、圧倒的にお得だったのです。

 そんなある日、「コロコロコミック」にハドソンの新作『チャレンジャー』が発売されるという情報が掲載されました。この時期のハドソンと言えば全国キャラバンの開催や高橋名人の存在もあって子供たちからはすさまじい人気を誇り、色々面白いことをしている会社として認知されていました。

 当然、『チャレンジャー』も注目の的となり、「コロコロコミック」をみんなで読んで、発売を楽しみにしていた記憶があります。そうして発売日を迎えたのですが、残念ながら筆者はおねだりに失敗して買うことはできず、友達の家で遊ばせてもらうことになりました。

 しかし最初の電車ステージがあまりにも難しく、友だちとワイワイ騒ぎながら楽しくプレイはしたものの、すぐに行き詰ってしまったのです。

■公開された無敵技、忘れられないステージ1

 電車の上には緑色の人間やピンク色の鳥、そしてカミナリといった敵がいるのですが、この配置と動きが絶妙で、何も考えずに突き進むとまずやられてしまいました。なんとか突破して電車の中に入り込んでも、火の玉のような敵をかわし切れずにやられてしまうことがしばしばで、ステージ2に行くだけでもかなりの苦労をしていました。

 そんな状況を一気に変化させたのが、当時大流行していた裏技でした。裏技にはバグを利用したものも多かったのですが、『チャレンジャー』には意図的に、無敵になる技が仕込まれていたのです。

 ステージ1のBGMは、しばらく待っていると電車の信号が「カンカン!」と4回鳴るのですが、この音に合わせてジャンプしたりナイフを投げたりすると、空中にまっとうくじら(注:マッコウクジラではありません)が現れ、これに触れると無敵が発動するようになっていたのです。

 この技はステージ1でのみ使用可能となっていましたが、あさいもとゆき先生の『ファミコンロッキー』では、あるファミコン技師により無敵モードが終わらない不正ソフトが作られ、ロッキーを窮地に陥れています。このときロッキーはステージ1の最後に現れるドン・ワルドラドにナイフを12発投げつけ、一気に最終ステージにワープして勝利したのですが、筆者はこれを真に受けて、連射機能付きのコントローラーを使ってなんとか再現できないかと挑戦していたのですが、残念ながら成功したことはありませんでした。『ファミコンロッキー』読者のなかにはおそらく同じように挑戦し、挫折した方も多いのではないでしょうか。

 しかし、こうして『チャレンジャー』のことを思い返すと、まず思い出すのはステージ1のBGMです。テンポが良く軽快で、これから主人公が冒険に乗り出すというエネルギーに満ちあふれています。もちろんステージ2以降のゲーム性もBGMも素晴らしい出来ではありますが、ステージ1のBGMは、『チャレンジャー』をプレイしていたときの記憶と完全に一体になっていて、忘れられそうにありません。

(ライター 早川清一朗)

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