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『るろうに剣心』の剣客たちが振るう武器は実在する? 剣心の逆刃刀には意外な事実も

マグミクス / 2021年4月26日 17時10分

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■『るろうに剣心』に登場する刀や武器は実在するのか?

 明治初期を舞台にした大人気マンガ『るろうに剣心』は、実在架空を問わずさまざまな剣客が登場し、固有の技や刀で熱い戦いを見せてくれます。ところで、同作の登場人物が持っている刀は実在するのでしょうか? 今回は作中で描かれた刀にまつわる実在・創作エピソードの数々を紹介します。

 2021年4月23日に公開された映画『るろうに剣心 最終章 The Final』は、原作の「人誅編」がベースとなり、重要人物となるのは雪代縁です。彼は大陸風の拵(こしら)えが特徴的な「倭刀」を携えており、この刀について原作では資料を交えて細かく説明されています。かいつまんでいうと、明が優れた日本刀を輸入あるいは独自に生産します。こうして生まれた大陸製日本刀を「倭刀」と呼ぶとしています。

 原作では、縁が倭刀を地面に突き立て、刀の頭(かしら)を踏み台にして驚異的な跳躍を見せますが、実際にそのような利用法はないにせよ、倭刀は実在するようです。

 続いては、相楽左之助が登場時に持っていた「斬馬刀」。これは「斬馬剣」とも呼ばれ、中国で実在し、文字通り対騎兵戦などに使用されていたといいます。しかし左之助が持っていたような刀身が巨大なものではなかったようです(一説には、薙刀のような形していたともいわれています)。

 喧嘩屋として名を馳せ、斬馬刀を持っていることから“斬左”と異名をとった左之助。曰く、彼の斬馬刀は応仁の乱の頃の骨董品だそうですが、剣心に真っ二つに斬られたり、アームストロング砲の弾を打ち返して真っ二つになったりと、あまり見せ場はありませんでした。

 そして主人公・緋村剣心の信念“不殺(ころさず)”を象徴するような愛刀「逆刃刀」は、通常の刀の刃と峰の部位が逆になっており、普通に使用すると峰打ちになり致命傷を与えないというものです。

 逆刃刀は、幕末に「人斬り抜刀斎」として多くの人を殺めてしまったことへの後悔などから、役目を離れる際に刀匠・新井赤空から餞別として受け取ったものです。後に瀬田宗次郎との戦いで逆刃刀を破壊され、赤空の息子から新たな刀「逆刃刀・真打ち」を譲り受けました。

 この逆刃刀は『るろうに剣心」作者の和月伸宏先生の創作なのですが、近年、岐阜県の刀匠がこの逆刃刀を再現しイベントで公開しています。茎(なかご)には赤空の「我を斬り~」から始まる辞世の句も忠実に刻まれています。

 では、『るろうに剣心」連載以前に逆刃刀はなかったのかというと……実は存在していました!

■『逆刃刀』が実在!? 資料館に展示され見学することも

 2014年、千葉県白井市の旧家から刃と峰が逆になっている刀が発見されました。とはいっても全長28.2センチ、刃渡り22.6センチの小刀です。明治期のものと指摘されており、逆刃刀という概念があったかは分かりませんが、市教委は「逆刃刀」と仮称。白井市郷土資料館に展示されています。

 さて、作中で「逆刃刀」を造ったのは刀匠・新井赤空ですが、彼は異端視されるほど数々の殺人奇剣を造り出しました。原作で志々雄真実が愛刀としていたのが、赤空の最終型殺人奇剣「無限刃」です。

 通常の刀なら斬り続ければいずれ刃こぼれしてしまいますが、無限刃は予め一部をこぼしておくことで切れ味を損なわせず連続使用できるという狂剣です。志々雄がこの刀を所持していたのは古く、大やけどをさせられる前、剣心と暗殺家業を交代した直後の初仕事で、無限刃を使い裏切り者を切り捨てる描写が原作にあります。

 そしてその部下である「十本刀」の沢下条張は赤空作の刀を二振り所持していました。一振り目は「連刃刀」で、刀身が並行して2本並んだ刀で、斬られれば2本の傷口が出来てしまい上手く縫合できず腐りやがて死んでしまうという奇剣です。二振り目は「薄刃乃太刀」という、薄く長いムチのような刀も所持していました。

 いずれも創作の刀……と思いきや、「薄刃乃太刀」のモデルになったのではと想起させる剣がインドに存在します。それは古武術「カラリパヤット」の長剣「ウルミ」です。ウルミは薄く柔らかい鉄でできているそうで、まさに薄刃乃太刀のようにしならせて戦うのだそうです。

 最後は志々雄の「十本刀」で、瀬田宗次郎に匹敵する手練れである魚沼宇水の武器を紹介します。盲剣の宇水と恐れられ、闇夜に乗じわずかな時間で斎藤一の選りすぐりの剣客50人をたったひとりで倒したほどの実力者です。

 彼は故郷琉球の武術「ティンベーとローチン」の使い手で、一騎打ちをした斎藤を苦しめました。

 この武術はティンベーと呼ばれる亀の甲羅を盾にし、攻撃を防いだり、相手を目隠し状態にしたりし、怯んだところにローチンと呼ばれる短い槍のような武器で攻撃します。これらの武器は実在し、古武道として保存会があります。

 斬馬刀のように、形は違えど少年マンガ風に派手にアレンジされるのも夢が広がりますし、古武道ティンベーとローチンのように、現在でも見ることができるのも意外で、興味がわいてきます。続編の『るろうに剣心 北海道編』でも魅力的な武器が登場しているようなので、引き続き注目していきたいと思います。

(南城与右衛門)

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