藤子・F・不二雄先生のブラックな作品「あと味悪い」「ゾッとする結末」
マグミクス / 2021年10月17日 18時10分
■考えさせられるバッドエンド
漫画家の藤子・F・不二雄先生は、『ドラえもん』や『キテレツ大百科』などの原作者として知られています。コミカルな作風をイメージする人は多いかもしれませんが、大人向けのブラックな作品も数多く輩出してきました。あと味が悪く、ゾッとする結末が記憶に残るブラックな作品をご紹介します。
例えば、物語のラストが衝撃的なマンガ『ある日……』。自主映画サークルのメンバーである4人の男性たちは、それぞれ撮影した作品を持ち寄って上映会を行います。ひとりずつ順番に作品を披露していくなか、佐久間は「どれもこれもつまらない」と他の人たちの作品を否定します。かくいう佐久間の作品は平凡な日常風景を映し出すだけで、最後には何の前触れもなく突然終わってしまう淡白な映像でした。
メンバーからは「単なる生活スケッチじゃないか」とばかにされますが、佐久間は「ある日突然…… 核戦争が始まって一瞬にして小市民の生活が消滅したという結末です」「『ある日』は『唐突』にやってくる。『伏線』など張るひまもなく」と説明。そしてこの作品はいつ日常が失われるかを熱く語る佐久間をよそに、「プツン」と音をたてて真っ白なコマで終わっています。佐久間の懸念していたことが実際に起きてしまうという恐ろしい終わり方から、藤子・F・不二雄先生のブラックユーモアさを感じられます。
また記憶に残るブラック作品として、『ミノタウロスの皿』を思い浮かべる人も多いでしょう。物語の主人公となる青年は地球型の惑星に不時着し、人間にそっくりな少女・ミノアと出会います。次第に仲を深めていくものの、後に彼女は「ズン類」(牛のような生物)の家畜であることが判明。要するにミノアの住む惑星では、牛が人間を家畜として食べるという文明が栄えていたのです。青年はミノアを助けるために奔走しますが、結局ミノアは大皿の上に盛られてしまうハメに……。そして最後には、主人公がステーキ(家畜)を食べるという皮肉なシーンも描かれました。
(マグミクス編集部)
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