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マンガ実写化映画で「ラスボス」になった、意外なキャラ4選 ゾンビものでは特に珍しい?

マグミクス / 2022年3月4日 19時10分

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■坂口拓演じるラスボスが圧巻

 人気マンガの実写化映画では、長い原作全てを1本の映画にするわけにもいかないので、原作の意外なキャラが「ラスボス」扱いで描かれることも少なくありません。今回はそんななかでも、俳優の演技や演出で上手く「ラスボス戦」を盛り上げた4人を紹介します。

●『キングダム』(2019年)の左慈

 まずは、映画2作目の公開も決定しており、近年の実写化作品の成功例として評価されている『キングダム』。原作序盤の「王都奪還編」までを映画化した内容で、主人公・信(演:山﨑賢人さん)の前に最後に立ちはだかったのは、王弟・成きょう(きょうの字は「虫へんに喬」 演:本郷奏多)を守る元将軍・左慈でした。演じたのは零距離戦闘術の達人「ウェイブマスター」の称号も持つ、日本を代表するアクション俳優・坂口拓さんです。

 原作における左慈は、王宮の抜け道「右龍」で信が戦う中ボスで、山の民を両断する強者ながら、自分の強さを過信しすぎて信に斬られてしまう人物でした。しかし、風格たっぷりな坂口さんが演じたことで、原作よりも強者感が大幅に増しています。おまけにCGも早回しもなしで演じた坂口さんの殺陣は、カメラが追いきれないくらいのスピードとキレで、山﨑賢人さんもリアルに恐怖を感じながら戦っているのがわかるくらいの圧倒的動きを見せました。

 映画における左慈は、「戦場に夢は転がっていない」と、大将軍を夢見る信と対極に位置する強敵であり、彼を打ち破る場面はよりカタルシスが増しています。今後も実写化シリーズが続くのであれば、坂口さんには特例で王騎と戦う武神・ほう煖(けん・「ほう」の字は广部に龍)の役もやってほしいところです。

 ちなみに、「王都奪還編」本来のラスボスだった怪物・ランカイは、その現実離れした風貌、巨大さ、動きもあって「登場しないのではないか」という懸念もありましたが、身長201cmの俳優・阿見201さんが特殊メイクを使って演じ、中ボスとして見事スクリーンに再現されました。

●『アイアムアヒーロー』(2016年)の陸上ZQN

『アイアムアヒーロー』は花沢健吾先生の同名マンガを実写化した、本格ゾンビアクション映画です。原作を巧みにまとめた脚本、大泉洋さんはじめキャストの演技、R15指定のさらにギリギリを攻めた人体破壊とゾンビ特殊メイクなどが高く評価され、シッチェス・カタロニア国際映画祭の観客賞と最優秀特殊効果賞を受賞するなど、海外でも好評を博しています。

 そんな同作は、原作のゾンビ(ZQN)の怖さの再現度もさることながら、普通のゾンビ映画ではまずない「ラスボス戦」が描かれた点でも、観客の度肝を抜きました。他作品のゾンビよりも「生前の人格を反映した言葉を発する」など、少し個性強めな設定を活かし、原作の「アウトレットモール」編でも印象的だった「陸上ZQN」(特に「高跳び」の場面が凄い)が、最後に主人公・英雄の前に立ちはだかるのです。

 元陸上選手ゆえに他のZQNたちとは一線を画す「陸上ZQN」は、散弾銃を持つ英雄をも翻弄。頭を半分以上吹き飛ばされてもまだ立ち上がるゴキブリ級のタフネスを見せ、ゾンビ映画史に残る名勝負を盛り上げました。佐藤信介監督のインタビューによると、「陸上ZQN」を演じたのは、アウトレットモールの撮影で行った韓国ロケでのオーディションで発見した韓国の学生さんとのこと。名前もわかりませんが、あの存在感と身のこなし、ただ者ではありません。

■ニヤニヤしてない『るろうに剣心』の鵜堂刃衛

●『るろうに剣心』鵜堂刃衛

 実写映画成功例の代表格として挙げられることの多い「るろうに剣心」シリーズの記念すべき第1作目で、最後に剣心(演:佐藤健)の前に立ちはだかったのは、原作では2巻で倒された人斬り・鵜堂刃衛(うどう・じんえ)でした。元新撰組隊士なのは原作通りですが、鳥羽・伏見の戦いの折に剣心が棄てた刀を偶然手にし、「人斬り抜刀斎」の名を騙って武田観柳(演:香川照之)のもとで殺人を続けていたという、より主人公との因縁が深い設定変わっています。

 映画では武田観柳邸での戦いが先に描かれ、剣心が外印(演:綾野剛)や観柳のガトリング砲を破った後、薫(演:武井咲)を誘拐した鵜堂刃衛との戦いが描かれました。演じる吉川晃司さんの鋭い眼光と存在感に合わせ、原作の「ウフフ」笑いは封印されて、髪も短髪。「心の一方」で人の動きを止める剣気を持つラスボスとして、より強者感が漂っています。

 そして、最終決戦は「背車刀」まで使うハイレベルな剣戟、原作通り薫に「心の一方」をかけてからの剣心の「双龍閃」での決着も描かれ、原作再現としても時代劇の殺陣としても見どころの多い名勝負となりました。鵜堂刃衛は原作が短期終了していた場合のラスボスとして用意されていたキャラでもあり、人斬りをやめた剣心へのアンチテーゼ的存在なので、実写1作目のラスボスにしたのは的確だったと言えるでしょう。

●『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017年)の虹村形兆

 荒木飛呂彦先生の人気マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部を実写化した『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』。その名の通り第一章なので、本作だけで物語は完結しません。それにしてもいざ本編を見ると、約2時間の話が原作の最初の2エピソード、「vs片桐安十郎(演:山田孝之)」と「vs虹村兄弟」のみで構成されており、その潔さに逆に驚いた原作ファンも多かったのではないでしょうか。

 そうなるとラスボスになるのは、虹村家長男の形兆(演:岡田将生)です。虹村邸で康一(演:神木隆之介)が矢で射られる→弟・億泰(演:新田真剣佑)が仗助(演:山﨑賢人)に負ける→億泰が形兆のスタンド「バッド・カンパニー」の攻撃に巻き込まれ、その後仗助が億泰を助けるなど、基本的に原作を忠実に再現したバトルが展開されます。岡田さんは形兆役には少しかっこよすぎる気もしましたが、名ゼリフ「誰だってそーする おれもそーする」のねっとりした再現度など、さすがの演技を披露しました。

 そして、CGで再現された軍隊型スタンド「バッド・カンパニー」の描き方のこだわりは必見です。兵士ひとりひとりの動きの細かさや、仗助へ一斉射撃を仕掛けるヘリ視点からのカメラワークなど、この場面だけでも実写化する価値はあったのではないかと思います。倒し方も原作に忠実で、満足度の高いバトルでした。

 しかし、結局同作はヒットにつながらず、続編が作られる気配はありません。ただ、最後に形兆を殺すのが「レッド・ホット・チリ・ペッパー」ではなく「シアー・ハート・アタック」になっていたり(スタンドの特性が変わっていますが)、警察官の仗助の祖父と杉本鈴美が顔見知りだった設定になっていたりと、第一章から殺人鬼・吉良吉影の存在は随所に匂わされていました。いったい誰が吉良を演じるはずだったのか、スタンドは見せずとも登場していた山岸由花子(演:小松菜奈)と康一の物語はどうなる予定だったのか、いろいろと気になるところです。

(マグミクス編集部)

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