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購入しただけで安心するのは絶対NG! …防犯対策専門家が伝授する「初心者が購入するべき防犯グッズ」

まいどなニュース / 2024年3月7日 11時20分

夜道を歩く女性が防犯グッズを持つことが多くなりましたが使い方には注意が必要 ※画像はイメージです(buritora/stock.adobe.com)

突然ですが、不審者に突如として襲われたら…と想像したことはないでしょうか? たとえば夜道を1人で歩いている時に「ひったくり」や「ストーカー」に遭遇することは、可能性として少なくありません。特に女性であれば単独で行動する際、周囲に注意を払う必要があります。

そんな時に重宝するのが「防犯グッズ」ですが、初心者の場合「何を買えばいいの?」「いざ、という時に使えるか心配…」など様々な疑問が浮かび上がるでしょう。そこで防犯グッズ初心者の疑問を解消するため、防犯対策専門家である京師美佳氏に、詳しく話を伺いました。

初心者は防犯ブザーがオススメ!

――最近は自分の身を守るための防犯グッズが手軽に入手できる時代ですが、夜道に襲われる女性にとってどのようなグッズを常備するべきでしょうか? また、初心者にオススメのものがあれば、ぜひ教えてください。

「防犯ブザーをお持ちになるのが良いかと思います。様々な護身グッズがありますが、正当な理由(ストーカーに狙われているなど)がなく持ち歩くのは、軽犯罪法違反になる可能性があります。

また、そのような理由がなくても、スタンガンなどは近づかないと使用できないものなので、相手に奪われると自分に危害を加えられることになって危険です。

正当な理由がある場合は、距離をとって使用できる催涙スプレーが良いかと思います。ただし、催涙スプレーにもOCガス(唐辛子成分スプレー)、CNガス(化学薬品)と2種類あり、人体に影響がないOCガスのものを使用するのがいいでしょう。CNガスは火傷などケガをすることもあり、場合によっては過剰防衛となる可能性もあります。

防犯ブザーを所持する場合は、100デシベル以上のものを用意してください。110デシベルはパトカーのサイレンの音に匹敵する音量で、それくらいの大きさがないと、周りは危機を感じて通報してくれません。最低でも、80デシベル以上のものを購入するのがいいでしょう」

まずは実践練習が大切

――防犯グッズがあっても、いざという時に使えない場合も考えられると思います。どのようなことを心がければいいでしょうか?

「購入したものを、ぶっつけ本番で使用するのは危険です。防犯ブザーでも必ずテストや練習をして、万が一の際に、問題なく使用できるように準備しておいてください。

催涙スプレーなどの場合は、部屋のなかではなく、河原などで誰も近くに人がいないのを確認してからテストするといいでしょう」

正当な理由がなければ防犯グッズの所持はNG

――防犯グッズはものによって相手に危害を与えてしまう可能性もあると思うのですが、そこを踏まえると「ものによっては所持していれば軽犯罪法違反」「防犯グッズの使うことのリスクや懸念点」などが気になってしまいます。改めて、それぞれの京師さんのご見解をお聞かせください。

▽所持していれば軽犯罪法違反に可能性について

「先にもお伝えしましたように、正当な理由なく所持しているのは軽犯罪法違反に該当する可能性があります。『怖い思いをしたので、護身用にと所持していた』という場合でも、判例では無罪とそうではない判決の両方があります。

自宅に強盗対策などで置いておくのは問題ありませんが、持ち歩く場合はできれば防犯ブザーなどにする方が安心です。ただ、怖い思いをしているのであれば、それは正当な理由になるので、まずは警察に相談しましょう。それから所持すれば、その後、問題にもなりにくくなります」

▽防犯グッズの使うことのリスクや懸念点

「防犯グッズを使う場合、それがどのような使い方で、どんな効果があるのか、しっかり確認する必要があります。スタンガンは先にお伝えしたように、相手に奪われる可能性もあるので、オススメできません。

自宅の玄関先に催涙スプレーや防犯ブザーを強盗対策で置く場合も、必ずテストや練習が必要です。催涙スプレーの使い方を間違えて、自分に吹きかけた人も過去にいました。防犯グッズを購入したことで安心するのではなく、その後に『どのように使うのか』『どんなリスクがあるのか?』なども確認してから使用するように心がけてみてください」

「念には念を」の精神で準備しておこう!

京師氏によるプロ目線の助言を踏まえると、「防犯グッズは購入するだけではダメ」ということを痛感しました。確かに京師氏の言葉通り、購入しただけで安心してしまい、実践練習をするところまで頭が回らない人の方が多いでしょう。

もし今回の記事をきっかけに防犯グッズを購入した場合、「念には念を」の精神で、スキマ時間に練習することをオススメします。もっといえば、防犯グッズを使う機会が訪れないことを強く願う限りです。

◆京師美佳(きょうし・みか)防犯アドバイザー、犯罪予知アナリストとして、情報番組やNEWS番組などメディアなど多数出演。セキュリティ全般の知識を活かして講演や啓蒙活動もおこなう。2005年京師美佳セキュア・アーキテクト設立。2009年(社)全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構理事就任。建物の防犯診断、プロデュースなど幅広く活動をおこなう。「60歳から絶対やるべき防犯の基本」など著作多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーター

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)

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