<テレビ制作への危惧>接続詞の使い方も知らないテレビのディレクターが書く異様なナレーション
メディアゴン / 2015年10月25日 8時0分
高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]
* * *
「ニュース番組なのにグルメ情報ばかりやっていること」に不自然さを感じる人は多いが、それをあげつらうこともできないのがテレビの現実だ。
2時間、3時間もの放送時間を毎日放送する必要があるものの、そんなにニュース価値が、あるものだけでは埋まらない。
それに、夕方のニュースの時間帯は「グルメ程度のものにしか関心のない主婦」が多く見ているのだからしょうがないだろう、という意見も大事にしなければならない。「新しい店の紹介だ」と言っておきながら、ネットを見ればすぐわかる店しか出てこないこともあげつらってはいけない。
情報提供にあたっては、視聴者が全く知らないことではなく、ちょっと知っていることをやったほうが、視聴率が取れるという、金をかけたマーケティングによる心理分析が背景にあるのだろう。リサーチャーに丸投げで、ディレクターは事前取材もしないのは、忙しすぎるからである。これもしょうがないことだ。
ロケ先に行くとリポーターに「ええと、あ、ありました、ここです、ここです」と、初めて見つけたように装わせることもあげつらうのはやめておこう。何しろ店への取材交渉はリサーチャー任せなのだから、ディレクターは本当に初めて見た店なのかもしれないのだ。
グルメリポートを安易に笑いの芸人にさせることも、あげつらうのはやめておこう。どうせ芸人は売れたらネタを作るのをやめて、ただのタレントとして生きていこうとしているのだから、その人に仕事をあげるのも芸能界全体としては大事なことなのだろう。
食べてからの感想をなんでも「やわらか~い」という表現する異様さもあげつらうのはやめよう。
しかし、ただひとつ放送作家として許せないのは、ひどいナレーションの時だ。
ナレーター「この青椒肉絲は、値段がとても高い。しかし、いろいろな工夫がしてあるのです」
これは、許せない。 このナレーションを書いたディレクターは 、
「このナレーションは可怪しいと思わなかった。しかし、そのまま放送した」
ということだろうか。 接続詞の使い方も知らない人が、テレビを作っていることに筆者は、非常な危惧を覚える。
こういうディレクターは、「できるだけ接続詞を使わないのが美しい文章である」という教育をどこでも受けなかったのだろう。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
尾野真千子、『虎に翼』で“語られない”素顔 「緊張している人に対して…」関係者が告白
Sirabee / 2024年4月25日 11時30分
-
“テレビ的常識”の引力に抗う『こどもディレクター』 上出遼平氏が若き演出・流川Dに伝える「ビビってるんじゃねぇぞ」の精神
マイナビニュース / 2024年4月3日 6時0分
-
長野智子“論破文化”に危惧「グレーの議論が大切」 新番組で大切にしたい“モヤモヤ感”
ORICON NEWS / 2024年4月1日 11時0分
-
台本は「喋り言葉」で書いてはいけない…トークが苦手だったオードリー春日を変えた"放送作家の乱暴な秘策"
プレジデントオンライン / 2024年3月31日 15時15分
-
「多分、僕はSMAPが解散したときに『死んでしまった』のだと思います」作家業引退の鈴木おさむが直面した“40代の闇”とは?
集英社オンライン / 2024年3月29日 19時0分
ランキング
-
1デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
NEWSポストセブン / 2024年4月25日 16時15分
-
2木村拓哉主演『Believe-君にかける橋-』早くもサプライズ展開 竹内涼真の登場が話題に「双子?」
ORICON NEWS / 2024年4月25日 22時25分
-
3「TOBE潰そうとしてる」旧ジャニ新会社が戦略をマネしてる? “被り”の多さをファン指摘
週刊女性PRIME / 2024年4月25日 20時0分
-
4Aぇ!groupメンバーが明かす福本大晴〝契約解除〟の影響「年末にあった仕事は全部キャンセル」
東スポWEB / 2024年4月25日 20時13分
-
5「櫻井・有吉 THE夜会」大谷翔平SPの〝カジノ形式〟にネット沸く「タイミング悪い」
東スポWEB / 2024年4月25日 23時18分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください