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なぜN-BOXやスペーシアに負けているのか!? 実はライバルよりイケてる「ダイハツ 新型タント」6つの優位性とは

MōTA / 2021年5月8日 13時30分

ダイハツ タント

軽自動車の中でも、スーパーハイトワゴンは現在最も売れているカテゴリーだ。2003年にダイハツが初代「タント」で開拓したこのカテゴリーは、現在「ホンダ N-BOX」が販売台数のTOPをキープしている。いっぽうで老舗ブランドのタントは現在3位。2位に位置する後発組の「スズキ スペーシア」にも負けている状況だ。 しかし、3台の中で最も設計の新しい新型タントには、ライバル車にはない優位性がある、と語るのは、国内の新車事情に精通するカーライフジャーナリストの渡辺 陽一郎さん。 ダイハツ 新型タントがライバルのN-BOXなどよりも優れている、大開口部を持つスライドドアや内装の使い勝手、後席の掛け心地、エンジン性能、走行安定性、小回り性能といった6つの特徴を順にご紹介していこう。

ダイハツ 新型タント

不可解!? 2019年登場のダイハツ 新型タントが、2017年登場のライバルN-BOXやスペーシアに負けている現状

2020年度(2020年4月から2021年3月)に新車として売られた軽自動車の販売ランキングは、1位:ホンダ N-BOX(19万7900台)、2位:スズキ スペーシア(14万5319台)、3位:ダイハツ タント(12万8218台)であった。

年度別で見ると、2015年度以降はホンダ N-BOXが軽自動車の販売1位を守り続けている。

ライバルの「スズキ スペーシア」

不可解なのはダイハツ 新型タントの伸び悩みだ。タントは2019年7月に現行型へフルモデルチェンジされたから、2017年にフルモデルチェンジしたN-BOXやスペーシアに比べると設計が新しい。それなのに3位に留まる。

ちなみに先代タントは2013年に発売。2014年度には21万4867台を登録し、軽自動車の販売1位になった。これは先代N-BOXを上まわる売れ行きであった。

それが現行タントは、同じ発売の翌年度なのに、売れ行きは先代型に比べて40%減っている。軽自動車の新車販売ランキング順位も、先代型の1位から3位に後退した。

新型タントだけが悪い訳ではない! タントの売れ行きが伸び悩む理由のひとつは社内のライバルにあり!?

ダイハツ 新型タント

【タントが伸び悩む理由 その1】アピールに欠ける内外装のデザイン

タントの売れ行きが伸び悩む理由は3つある。まず第1に、新型タントの雰囲気がやや地味で、これといったアピールポイントに欠けることだ。

後述する通りシートアレンジなどに工夫を凝らし、優れた商品に仕上げたが、先代型に比べると内外装の変化が乏しい。インパネなどの質感もあまり変わらず、先代型のユーザーが「現行型に乗り替えたい」と思わせるインパクトと決め手に欠ける。

【タントが伸び悩む理由 その2】自社の競合モデルがどれも魅力的だった

ダイハツではスライドドアの競合車を自社内にも持つ(写真は「ダイハツ ムーヴキャンバス」)

タントが伸び悩む2つ目の理由は、同じダイハツに、背の高い軽自動車の競合車が増えたことだ。

特に2016年9月に発売されたムーヴキャンバスは、全高を1700mm以下に抑えながらも後席側にスライドドアを装着する。販売店では「スライドドアは欲しいが、タントほど背の高いボディは不要と考えるお客様も多い。そのようなニーズにムーヴキャンバスはピッタリで好調に売れている」という。

直近の2021年1~3月のムーヴキャンバス(ムーヴを除く)の届け出台数は、1か月平均にすると6363台だ。タントは同時期に1万4245台を届け出したが、スライドドアを備える両車同士で需要を分け合っている。

また2020年6月には、ダイハツからタフトも発売された。タフトはSUVだからタントとは性格が異なるが、全高は1600mmを上まわって荷室も相応に広い。荷室には水洗いできる加工を施して、積載性を向上させた。タフトは2021年1~3月に1か月平均で5992台を届け出したから、こちらも少なからずタントの売れ行きにも影響を与えている。

【タントが伸び悩む理由 その3】ホンダが持つ強力な顧客地盤がN-BOX拡販に有効だった

強力過ぎるライバル「ホンダ N-BOX」

3つ目の理由は、ホンダの軽自動車の売れ方だ。

ホンダでは、タントのライバル車となるN-BOXへの販売依存度が際立って高く、タントとの販売格差も広がった。N-BOXが絶好調に売れる半面、他のホンダの軽自動車で、例えば「N-WGN」の届け出台数は、2021年1~3月の1か月平均が5611台だ。N-BOXの2万708台に比べると27%に留まる。他にも「N-ONE」は2518台だからさらに少ない。

ホンダ N-BOXは、大きなミニバンなどからの乗り換え需要も多い

ホンダの場合、「フィット」、「フリード」、「ステップワゴン」といった小型/普通車も豊富で、既納客も抱えている。最近の小さなクルマに乗り替える需要動向を考えると、潜在的な顧客を多く持つ分、販売にも有利になる。ダイハツは軽自動車が中心だから、小さなクルマに乗り替える需要の母体がない。

以上のようにN-BOXが好調に売れて、タントが伸び悩む背景には、いろいろな理由がある。

表現を変えると、商品としては新型タントにも最新モデルならではの優れた機能が多い。そこを改めて考えてみたい。

使い勝手の良さが絶品! ライバル軽に勝る「ダイハツ 新型タントの優位性」ベスト6を一挙にご紹介!

ダイハツ タントには、ライバル車にないセンターピラーレスの大開口「ミラクルオープンドア」と前席のロングスライド機構による、実用性の高いミラクルウォークスルーパッケージを特徴とする

【タントのメリットその1】ワイドに開くスライドドア

タントは左側のピラー(柱)をスライドドアに内蔵させたから、前後のドアを両方ともに開くと、開口幅は1490mmに広がる。このような機能を採用していないN-BOXの640mmを大幅に上まわった。タントの助手席を予め前側に寄せておけば、ワイドな開口幅により、子供をベビーカーに座らせた状態で乗り込める。この後、広い車内で子供をベビーカーから降ろし、後席のチャイルドシートに座らせる作業もスムーズに行える。

ワイドな開口幅は、高齢者が乗り降りする時も便利だ。タント自体が福祉車両のような性格を併せ持つ。

【タントのメリットその2】車内での移動のしやすさ

現行タントでは、売れ筋グレードの運転席に、540mmの長いスライド機能を装着した。後方に寄せておくと、左側から乗車して子供をチャイルドシートに座らせた後、ドライバーが降車しないで運転席へ移動できる。

タントでは以前から左側のワイドな開口幅に特徴があったが、現行型では左側から乗車して、運転席へ移動する導線も確立させた。この特徴は、N-BOXやスペーシアでは得られないタントならではのメリットだ。

【タントのメリットその3】後席の座り心地が快適

ライバル2台と比べ優れた座り心地を持つ新型タントの後席

現行タントは先代型の欠点を解消すべく開発を行った。そのひとつが後席の座り心地だ。先代型は床と座面の間隔が不足して、足を前方へ投げ出す座り方だった。背もたれや座面の柔軟性も乏しく、後席の快適性はN-BOXとスペーシアに負けていた。

そこで現行タントは、着座姿勢を改善して、座り心地も向上させている。その結果、後席の快適性はライバル2車を上まった。

【タントのメリットその4】走行安定性が優れている

背の高さを感じさせない優れた走行安定性を持つ新型タント

先代型の欠点に、曖昧な操舵感も挙げられた。峠道などを走ると、カーブでは旋回軌跡を拡大させやすく、曲がりにくい印象を受けた。

そこで現行タントは、プラットフォームを刷新して、足まわりの設定も見直している。以前に比べると曲がりやすく、危険回避時の走行安定性も、N-BOXとスペーシアを上まわる。その代わり乗り心地は少し硬めに感じる。

【タントのメリットその5】実用回転域の駆動力に余裕がある

スペーシアのノーマルエンジン車は、実用回転域の駆動力がいまひとつだ。そのためにパワーが不足している印象を受けるが、タントはノーマルエンジンでも底力が相応にある。N-BOXと同等か、少し余裕を感じる。

【タントのメリットその6】小回り性能が優れている

タントの最小回転半径は、大半のグレードが4.4mに収まる(カスタムRSは4.7m)。N-BOXは4.5~4.7mだから、タントは小回り性能が少し優れている。スペーシアはすべてのグレードが4.4mだ。

以上のようにダイハツ 新型タントは、地味ながらも実用性をバランス良く高めた。

特に標準ボディのX(149万500円)、カスタムX(172万1500円)は、機能の割に価格を抑えて買い得だ。ダイハツ 新型タントはモデルチェンジを機に、推奨度の高い軽自動車となった。

[筆者:渡辺 陽一郎]

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