ポルシェ911の最新レーシングカー、911 GT3 Rが登場!
MotorFan / 2018年5月18日 14時5分
カスタマーレーシングカーの911 GT3 Rの2019年モデルが発表された。市販されたばかりの911GT3 RSをベースに開発された新型GT3 Rは、先代よりもエンジン出力を向上し、さらにレーシングシーンでの活躍が期待される内容となっている。
日本ではスーパーGTのGT300クラスへの参戦が可能なレーシングカーが911 GT3 Rだ。ベースは市販モデルの911 GT3 RSで、エンジンは市販モデルの4リッター水平対向6気筒(520ps)だが最高出力は550psにまで向上された。ただしレースは性能調整があるため、実際の参戦時はこれより下がることもある。
ルーフ、フロントフード、フロントフェンダー、ホイールアーチ、ドア、サイドおよびテールセクション、リアリッドやインテリアトリムにはCFRPが奢られ、すべてのウインドウがポリカーボネート製になるなど軽量化に腐心した。
フロントサスペンションは新設計のダブルウイッシュボーンとなり、同時にフロントタイヤの外径が650mmから680mmに拡大した。これによってさらに制動力とスタビリティを高めたと謳う。
一方で様々な環境で行われるレースで、時として重要な装備となるエアコンも採用され、日本では特に夏場のレースでは重宝することだろう。デリバリーは2018年12月以降に行われるという。価格は45万9000ユーロ(約6000万円)。
(以下プレスリリースより抜粋)
アルミニウムとスチールのインテリジェントな複合材による骨格を備えた市販スポーツカー911 GT3 RSの軽量ボディ設計が、カスタマーレーシングカーの理想的なベースとなることはすでに歴代の911 GT3 Rにおいて実証されています。ルーフ、フロントフードとフェンダー、ホイールアーチ、ドア、サイドおよびテールセクション、リアリッド、インテリアトリムは特に軽量な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が採用されています。全てのウインドウはポリカーボネート製です。
ニュー911 GT3 Rを駆動するのは、911 GT3 RSに搭載されているものとほぼ同じ最先端の4リッター水平対向エンジンです。ダイレクトフューエルインジェクションは燃料を最大200barで燃焼室へ直接噴射し燃焼効率を高めます。さらに、新たに装備されたインテークおよびエキゾーストの可変バルブタイミング機構はエンジントルクを最適に引き出します。さらに、自然吸気エンジンは、先代に比べて抜群のドライバビリティーと、広い回転域で強大なトルクを発生します。エンジンの応答性は、6つのスロットルバタフライによってさらに精度が高まりました。リアに搭載されるエンジンのパワーは、迅速かつ精確なシフトチェンジのために電子制御シフトアクチュエーターを備えたポルシェ6速コンスタントメッシュ・シーケンシャルトランスミッションを介して、310mm幅のリアホイールに伝えられます。ロードゴーイングのGTモデルと同様に、ステアリングホイールの使いやすい位置に配置されたパドルシフトによってシフトチェンジを行うことができます。電子油圧制御されるEクラッチは、クラッチペダルの必要をなくして迅速なレーシングスタートをアシストします。911特有の重量配分は、抜群のトラクションとブレーキ性能を提供します。
911 GT3 Rの驚異的なエアロダイナミクスも911 GT3 RSをお手本にしています。フロントフェンダーの特徴的なホイールアーチエアベントはフロントアクスルのダウンフォースを高め、幅1,900mm、奥行き400mmのリアウイングは空力バランスを提供します。フロントタイヤの外周は650mmから680mmに増加し、新設計のポルシェ ダブルウィッシュボーンサスペンションと共に、レース中に最大限のブレーキ性能と安定性を保証します。
最適化されたブレーキシステムも、剛性とABSの制御精度を高めます。フロントの対向6ピストン式アルミニウム製モノブロックレーシングブレーキキャリパーと390mm径のスチール製ベンチレーテッド・グルーブドブレーキディスクが抜群のブレーキ性能を発揮します。リアには、対向4ピストン式キャリパーと370mm径のブレーキディスクが装備されています。
911 GT3 Rでは、安全装備にも開発の焦点が当てられました。ピットストップでの作業性を向上させるために、120リッターのFT3安全燃料タンクはサーキットレイアウトに応じて左右から給油することができます。ドアとサイドウインドウは取り外し可能で、6ヵ所でボルト留めされた新しいレーシングバケットシートは、衝突時にドライバーの保護性能をいっそう改善します。アジャスタブルペダルボックスとの組み合わせによりドライバーの重心が最適化され、衝突時の安全性を高めます。さらに、ドライバーは、エネルギー吸収プラスチックフォームとカーボンファイバー・ケブラー・アルミニウム構造の運転席側ドアの側面衝突エレメントによって保護されます。
再設計されたコックピットは、全てのスイッチ類がドライバーの要求に完全にマッチしています。911 GT3 Rは、初めてエアコンディショナーを備え、理想的な室内冷房を行うとともに、シートとドライバーのヘルメットに直接接続することによって、ドライバーへの効率的な冷房を可能にします。これによってレース中の集中力と安定したパフォーマンスが維持されます。
ニューポルシェ911 GT3 Rは、459,000ユーロと各国の付加価値税を加算した価格で現在注文を受け付けています。2018年12月以降に納車予定です。全ての技術詳細およびデータは、FIAを通じて最終認定が得られるまでは暫定となります。
* 性能調整(BoP)に応じて、エンジン出力が低下する可能性があります
ポルシェ911 GT3 R(991第2世代)スペック
コンセプト
・ ポルシェ911 GT3 RSをベースにしたシングルシーターカスタマーレーシングカー
エンジン
・ 水冷式水平対向6気筒エンジン(リアマウント)
・ 4,000cc、ストローク81.5mm、ボア102mm
・ 最高出力:404kW(550PS)以上(BoPなし)、実際の出力はFIA BoP(性能調整)に依存する
・ シングルマスフライホイール
・ 4バルブテクノロジー
・ ダイレクト フューエルインジェクション
・ 燃料供給:スーパープラス無鉛、E20まで(98オクタン価以上)
・ ドライサンプ潤滑方式
・ 電子制御エンジンマネジメントBOSCH MS 6.4、インテグレーテッドデータ収集(ベーシックメモリー1GB、自由に選択可能な100チャンネル)付
・ レースエグゾーストシステム(モータースポーツ触媒と各国専用プリサイレンサーを利用可能)
・ 6つの電子制御スロットルバルブ
トランスミッション
・ ポルシェ6速コンスタントメッシュ・シーケンシャルトランスミッション
・ メカニカルスリップディファレンシャル、外部プリロード調節付
・ レーシングクラッチ
・ 電子制御シフトドラムアクチュエーター付パドルシフト
ボディ
・ インテリジェントなアルミニウム・スチール複合構造の軽量ボディ
・ 溶接ロールケージ、FIAレギュレーションに準拠
・ ルーフの脱着式脱出用ハッチ、最新のFIAレギュレーションに準拠
・ 車両回収システムけん引ポイント
・ 軽量エクステリア:
・ レーシングミラー付CFRP製ドア
・ クイックリリースファスナー付CFRP製リアリッド
・ CFRP製リアウイング、調節式
・ CFRP製エクステンデッドフロントフェンダーとホイールアーチルーバー
・ CFRP製フロントフェンダーとクーリングエアダクト
・ CFRP製リアフェンダー
・ ポリカーボネート製ウインドウ
・ 脱着式ポリカーボネート製ドアウインドウ
・ 変更された911コックピット:
・ CFRP製インテリアトリム
・ ドライバーに適合する人間工学センターコンソール、デジタルマルチタッチパネル付
・ マルチファンクションレーシングステアリンホイール、クイックリリースカップリングとパドルシフト付
・ FIA規格8862/2009に準拠するレーシングバケットシート:
・ 6ヵ所のボルト固定
・ インテグレーテッドエアコンディショナー
・ 6点式シートベルト
・ 約120リッターのFT3安全燃料タンク、FIAレギュレーションに準拠した燃料遮断安全バルブ付、左右から給油可能
・ エアージャッキシステム(4ジャッキ)
サスペンション
フロント
・ ダブルウィッシュボーンフロントサスペンション
・ 鍛造アルミニウム製コントロールアーム
・ 剛性最適化
・ 高性能スフェリカルベアリング
・ センターロックホイールナット付ホイールハブ
・ モータースポーツダンパー、4-way調節式
・ スタビライザー、ブレード位置による調節式
・ 電子電気油圧式パワーステアリングホイール
・ シムシステムによる新しいアライメントなしのセットアップ変更
リア
・ マルチリンクリアサスペンション
・ 加工アルミニウム製コントロールアーム、高性能スフェリカルベアリングによる剛性最適化
・ センターロックホイールナット付ホイールハブ
・ モータースポーツダンパー、4-way調節式
・ 加工アルミニウム製マウント
・ スタビライザー、ブレード位置による調節式
・ シムシステムによるアライメントセットアップ方式の採用
ブレーキシステム
・ フロントとリアの2つの独立したブレーキ回路、バランスバーシステムを介したドライバーによる調節式
フロント
・ 対向6ピストン式アルミニウム製モノブロックレーシングブレーキキャリパー
・ 390mm径スチール製ベンチレーテッド・マルチピースブレーキディスク
・ レーシングブレーキパッド
・ ツインフローブレーキクーリングダクト
リア
・ 対向4ピストン式アルミニウム製モノブロックレーシングブレーキキャリパー
・ 370mm径スチール製ベンチレーテッド・マルチピースブレーキディスク
・ レーシングブレーキパッド
・ ツインフローブレーキクーリングダクト
ホイール/タイヤ
フロント
・ ポルシェの仕様に準拠した1ピースBBSアルミホイール、12.5J x 18
・ ミシュラン トランスポートタイヤ、タイヤ寸法:300/680-18
リア
・ ポルシェの仕様に準拠した1ピースBBSアルミホイール、13J x 18
・ ミシュラン トランスポートタイヤ、タイヤ寸法:310/710-18
電気系統
・ COSWORTHカラーディスプレイCDU
・ COSWORTHロガーCLU(6GBメモリー)
・ COSWORTHパワーマネジメントシステムIPS48 MK2
・ ポルシェ モータースポーツトラクションコントロール(PMTC)
・ 消火器システム(作用剤:ガス)
・ 12Vバッテリー、60Ah(LiFePoリチウムイオン)、漏れ防止、助手席足元に搭載
・ マルチファンクションCFRPモータースポーツステアリングホイール、クイックリリースカップリング付
・ デジタルマルチタッチパネル
・ BOSCH LIN 175Aオルタネーターレギュレーター
・ BOSCHレーシングABS、第5世代
・ シングルブレードワイパー、ダイレクトドライブ付
・ オプションのBOSCH CASインテグレーション(レース設定)
・ LEDメインヘッドライト
・ LEDテクノロジーによるテール/レインライト
オプション(工場装着)
・ IMSAキット
・ フロントウインドウブレース
・ リアウインドウブレース
・ センサーパッケージ
・ FIA耐久キット
・ フロントフェンダーの2つのLED追加ライト
・ クラッチファン
・ テレメトリーGSM低域(R+)
・ モータースポーツ触媒(レギュレーションによる)
・ ヒーテッドフロントウインドウ
アフターセールスオプション
・ オプション1
・ 詳細なエンジンデータ記録用チャンネル拡張、最速記録レート1,000Hz
・ オプション2
・ エンジンデータ記録の内部メモリーから外部USBスティックへのデータコピー
その他のオプション
・ フロントサイレンサー
・ タイヤ空気圧モニターシステム(TPMS)
・ コックピットライト
・ スタートナンバー照明
・ 2つのLED補助ヘッドライト
重量/寸法
・ 総重量:未定(BoPによる)
・ 全長:4,629 mm
・ フロントアクスル全幅:1,975 mm
・ リアアクスル全幅:2,002 mm
・ ホイールベース:2,459 mm
カラー
・ 水溶性塗料(ホワイトC9A)で塗装されたボディ
・ インテリア:クリアコート仕上げの白色プライマー
・ カーボン製ボディパーツ(フロントとリアフェンダー、フロントフード、リアリッド、ドア、ホイールアーチ、リアウイング)
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