『仮面ライダー剣』森本亮治が振り返る20年「カリスは子ども目線だと怖く思われていたかも?」
マイナビニュース / 2024年4月30日 12時0分
●人間性を排除するような芝居を
『仮面ライダー剣』は、2004年1月25日から2005年1月23日まで、テレビ朝日系で全49話を放送した連続テレビドラマである。
本作では、4人の仮面ライダーのデザインや、変身・戦闘に用いられるアイテムに「トランプ」カードが採用され、極めてスタイリッシュなキャラクターが生み出された。仮面ライダーブレイドはスペード、仮面ライダーギャレンはダイヤ、仮面ライダーレンゲルはクローバー、そして仮面ライダーカリスはハートの意匠がマスクやボディ、変身ベルトのバックルにあしらわれている。彼らは、古代の封印からよみがえった不死生物「アンデッド」の力を用いて仮面ライダーに変身し、すべてのアンデッドをふたたびラウズカードに封印するため、激しい戦いを繰り広げる。
本稿では『仮面ライダー剣』放送開始20周年を記念し、仮面ライダーカリス/相川始を熱演した森本亮治にインタビューを実施した。
○人間性を排除するような芝居を
他者を寄せ付けないクールさと、闘争心をむき出しにした荒々しさを持ち合わせるカリス=相川始の正体は、53番目のアンデッド=ジョーカーと呼ばれる存在。しかし、ブレイドの変身者である剣崎一真や、喫茶店ハカランダの栗原母娘(遥香・天音)たちと接するうち、始は次第に人間らしい心を宿すようになっていく。精悍な青年の姿をしていながら「実は人間ではない」という始の複雑な人物像を演じるにあたっての心構えや、20年という歳月を経てもなお多くの人々から愛され続ける『仮面ライダー剣』の作品的魅力について、大いに語っていただいた。
――『仮面ライダー剣』にカリス/相川始役でレギュラー出演が決まったとき、率直にどんなご感想を抱かれましたか?
それはもう嬉しかったです。最初「ハートの仮面ライダー」と聞いて驚きましたけど、カリスのデザインを見て「おおっ、カッコいい!」と思いましたね。ハートというと、かわいいイメージがありますから、ハートであそこまでカッコよくなるのか、とうなりましたね。『仮面ライダー剣』のライダー4人がトランプモチーフというのは、すごくよかったと思います。子どもから大人まで、トランプは日常的に存在するものですから、親しみやすかったかなって。
――始を演じるにあたって、特に心がけていたことは何ですか。
始は人間じゃないということが最初からわかっていたので、人間性を排除するような芝居をしようと決めました。具体的には「まばたきをしない」こと。人間の表情を作る上で、まばたきというのは重要ですから、これを無くすよう心がけました。でも、めっちゃドライアイ気味なので、とにかく撮影中は目が乾いてしまってキツかったですね。自分の顔がアップになるシーンでは、特にまばたきに注意していたつもりだったのに、オンエアを観て「うわ、ここでまばたきしてもうた!」なんて気づいてショックを受けたこともたびたびありました。カードを持った始の顔にカメラがグーッとズームしてきて、いざ「変身!」となったとき、パチッと(笑)。そんなこともありましたけど、人間的感情をことさら表に出さないキャラクター像を意識しました。
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