GX経営に向けて 第4回 カーボンニュートラルに向け、CO2分離回収技術の注目ベンチャーが登壇 - GXリーグレポート
マイナビニュース / 2024年4月25日 8時30分
気候変動対策の取り組みをGX(グリーントランスフォーメーション)と呼び、世界各国でGX企業に対する投資が加速している。
そんななか、日本でも2050年のカーボンニュートラル実現に向け、官民が協力して取り組みを行う「GXリーグ」が2023年度よりスタートした。日本のCO2排出量の5割超を占める747社(2024年3月26日時点)がGXリーグに参画しており、イベントを通じて多くの協業事例が生まれている。
2月2日、第3回となる「ビジネス機会創発の場」が開催され、多くの企業が参加した。イベントでは「CO2回収・利用技術」をテーマにGXスタートアップが自社の取り組みについて紹介を行った他、参加した企業同士による交流会も開催された。
○日本におけるカーボンマネジメントの現状と政府の取り組み
イベント冒頭に登壇したのは、経済産業省の山田亮太氏だ。
山田氏はカーボンニュートラルに向けた取り組みとして、「カーボンマネジメント」を紹介。カーボンマネジメントとは、CCU(Carbon Capture and Utilization:二酸化炭素回収・有効利用/カーボンリサイクル)やCCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素回収・貯留)、CDR(Carbon Dioxide Removal:二酸化炭素除去)などを包含する考え方である。
なかでも今回、詳細に解説があったのは登壇企業が取り組むカーボンリサイクルだ。カーボンリサイクルとは、CO2を「資源」として捉え、分離・回収して鉱物化、あるいは燃料への再利用などを通じて、大気中へのCO2排出を抑制する方法である。
2050年段階における理想形としては、DAC(Direct Air Capture:直接空気回収技術)やバイオ技術により大気中からCO2を直接回収して再利用を図るとのことで、従来通り化石燃料を使用する場合と比べて大幅にCO2排出量を抑制できるのが特徴だ。
政府は2023年6月、カーボンリサイクルロードマップを策定。2050年におけるカーボンリサイクルのポテンシャルとしては1億〜2億トンを見込んでおり、カーボンリサイクル関連予算やグリーンイノベーション基金といった支援を通じて研究・技術開発を推進している。
もっとも、カーボンリサイクルにおける日本のスタートアップはまだプレシード、あるいはシード段階。今後の育成については手厚い支援が必要であり、政府は広島県大崎上島に「カーボンリサイクル実証研究拠点」を整備するなど、産官学が一体となっての取り組みに着手しているという。
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