GX経営に向けて 第4回 カーボンニュートラルに向け、CO2分離回収技術の注目ベンチャーが登壇 - GXリーグレポート
マイナビニュース / 2024年4月25日 8時30分
そこで同社が開発したのが、生体を模倣した新しいコンセプトのCO2分離材料「アミン含有ゲル」である。これにより、低コストでCO2を分離できるほか、低濃度のCO2であっても高性能な分離を実現できるという。
すでにプロダクトも誕生している。たとえば施設園芸用のCO2施用装置では、灯油燃焼後の排ガスからCO2を回収し、ビニールハウスに施用するなど、ハウス農業のCO2排出量削減と生産量向上の両立に成功した。さらに、JAXAとの取り組みも進めているという。
同社は炭素循環社会の実現に向けてJCCLエコシステムもリリース。参加することによりJCCLの技術や情報を活用しながら一緒に社会実装を目指せるという。
○フィルターでCO2を吸着、固形化し、ガラスやセメントにリサイクル
最後に登壇したのはAC BiodeのCEO久保直嗣氏だ。
同社がレブセル社と共同で提供している技術は、空気清浄機やDAC機器とエアーフィルターを活用してCO2を吸着、固形化し、世界初となるガラスへのリサイクルを実現したというもの。またセメントに混ぜることも可能。電力を使わずに吸着できるメリットがあり、既存の空気の流れを利用できるのが特徴だ。大型商業施設などに導入すれば、空気清浄や空調等と共に室内のCO2濃度を低下させるメリットも得られる。
この仕組みを使うことにより、10日間でフィルター重量の40%、例えば800gから数キロのCO2を吸着し、6ヶ月間かければ36kgの回収が可能になるという。さらにガラスにリサイクルした場合、300kgものガラス製品を生産できる。あらゆるタイプのガラスも製造・加工できるため、たとえば香水の容器やお土産、クリスタル、グラス、ガラス繊維、窓など様々な用途が考えられるだろう。
すでに日本だけでなく、オーストリアやスイス、ドイツ、フランス、韓国などの企業とも契約が進んでいる。今後はBtoBを予定しており、たとえばDAC機能付き空気清浄機やエアコン、掃除機、換気等の研究開発を行っている企業やブランドオーナー、リサイクルしたガラスを使用したい企業との取引を希望しているとのことだ。
各企業によるプレゼンテーションの後は、参加企業とスタートアップによる意見交換会も実施された。全体を通して、GXに対する熱意や本気度が伝わるイベントとなっていた。
「ビジネス機会創発の場」は今後も開催されるとのこと。同イベントを通じて日本のGXがさらに盛り上がりを見せそうだ。
(山田井ユウキ)
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