1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

早大、野菜をよく噛んで食べることは食後の血糖値を下げる効果があると発表

マイナビニュース / 2024年4月19日 13時36分

画像提供:マイナビニュース

早稲田大学(早大)は4月17日、野菜(キャベツ)を「咀嚼して食べる時」と「咀嚼せずに食べる時」の食後における代謝への影響を調べたところ、噛むことで食後の血糖値を下げるホルモンである「インスリン」がしっかりと分泌され、その作用機序の1つとしてインスリンの分泌を促す作用を持つホルモンである「インクレチン」が食後の初期段階で刺激されることを発見したと発表した。

同成果は、早大 スポーツ科学学術院の宮下政司教授、同・大学 スポーツ科学研究センターの亀本佳世子研究助手らの共同研究チームによるもの。詳細は、英オンライン総合学術誌「Scientific Reports」に掲載された。

食事により誰でも血糖値が上昇するが、健常者なら血糖値を下げる働きを持つインスリンが分泌され、体内に糖質を取り込むため血糖値が下がる。ところが、食後のインスリン分泌が少ない場合や働きが不十分だと、血糖値が高いままの状態である「食後高血糖」となってしまう。食後の血糖値が高い状態が続くことは糖尿病予備群の可能性があり、さらに動脈硬化のリスクもある。

食後の血糖値の上昇を抑える方法の1つとして、「(よく)咀嚼(そしゃく)すること」がある。咀嚼は消化の最初のプロセスであり、固形物を粉砕し唾液の分泌を促すことに加えて、エネルギー吸収にも関与し、充分な咀嚼は空腹感を抑える。健康な成人を対象とした研究では、食事の前にガムを噛む、または食事中の咀嚼回数を増やすことにより、食後の血中「グルカゴン様ペプチド-1」(GLP-1)や、「グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド」(GIP)などのインクレチンの分泌が促進され、早期のインスリンの分泌が促されることで食後血糖値の上昇が抑制されることが確認されている。

食事で最初に野菜を食べる「ベジタブルファースト」も、食後血糖値の上昇を抑える働きがある。これは、野菜に多く含まれる食物繊維が関係していると考えられている。また、野菜の形状の違い(固形または液状)によって食後血糖値に及ぼす影響が異なることも報告されている。しかし、野菜を咀嚼して摂ることが食後血糖値とインスリンやインクレチンなどのホルモンの分泌に及ぼす影響は不明だったという。そこで研究チームは今回、食前に固形の野菜を咀嚼して摂取することが食後の糖代謝に及ぼす影響についての検証を行うことにしたとする。

今回の研究では、19人の健康な成人男性(平均22歳)を対象とし、野菜を噛んで食べる「咀嚼条件」(千切りキャベツ+ゼリー飲料)と野菜を噛まずに食べる「非咀嚼条件」(キャベツ粉砕物+ゼリー飲料)のそれぞれ2条件に参加する交差試験が実施された。なお今回の研究では、野菜を「咀嚼して食べる時」と「咀嚼せずに食べる時」の代謝への影響の検討のため、ほかの食品としては咀嚼せずに摂取できるゼリー飲料を用いることにしたとする。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください