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SUBARUがAMDとの協業を深化、AMDがVersal AI Edge Gen2ベースのカスタムSoCを提供へ

マイナビニュース / 2024年4月22日 17時4分

カスタマイズの中で「SUBARU向け最適化回路」に関しては、少なくともステレオカメラ周りの回路を追加する予定だとしている。もっともこのSUBARU向けのカスタム版Versal AI Edge Gen2はまだ仕様を固めて設計を始めている段階(Photo15)であって、現時点ではまだ存在しない。

当面はVersal AI Edge Gen2をベースに、例えば足りない機能はさらに外付けのFPGAを使って実装するといった形でアプリケーションの開発を進めてゆくのだろうと思われる。

さて、Roane氏の説明の方は? というとほとんどの部分が先のVersal AI Edge Gen2の発表の際のものと重複していたのでこちらは割愛するが、1つアドバンテージとして挙げていたのがAdaptive Computingである(Photo16)。

CPUとかGPUなどのソリューションの場合、例えばNetworkの処理を本当に同時に行う事は不可能で、順次処理を行ってゆく事になる。今回の例で言えば、Photo07で1つのステレオカメラの映像から20以上のHeadsと呼ばれる処理を同時に行う訳だが、これを本当に同時に行うのは不可能であり、まずVehicle Detectionを短時間で完了させ、次にPedestrian Detectionを行い……という形の逐次処理になる。もちろん動作周波数を引き上げれば個々の処理時間を短縮できるから間に合うかもしれないが、消費電力は大きくならざるを得ないし、Latencyが大きくなる。

一方Versal AI Coreの場合、例えばAI Engineも複数のNetworkを本当に同時に実行できる(2D Meshの形でエンジンが搭載され、これを任意の数にパーティション分けして、それぞれ別のNetworkを実行できる)し、FPGA部分も同様である。そもそも逐次的に処理を行うケース、Photo07で言えば、Backboneと呼ばれる映像取り込み→合成→機能抽出の処理は当然並行には行えないし、そのBackboneの出力が出てこないとTrunkと呼ばれる機能は動かせないからこういう部分は逐次処理になる訳だが、Versal AI Edgeの場合はそれぞれの処理を専用ブロックとして固定的に機能割り当てできるから、いわばデータフロー的に最小限のLatencyで処理が行える事になる。

「1msのLatencyの差が生と死を分ける」(Roane氏)と言うのは多分に誇張はあるにしても、ある程度真実である。時速100Km/hで走る車にとって、1m進むのに必要な時間は36msでしかない。操作を行ってから車が反応するまでのディレイ(例えばステアリングを切っても進行方向が変わるまでには一定のラグがある)を考えると、制御を行う部分ではLatencyを最小限にするのは必須要件であり、そうした用途にAdaptive Computingのコンセプトが丁度マッチした、ということだろう。

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