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どれだけ知ってる? 教習所で教わらないバイクTips 第41回 なぜバイクの「ターボ」は普及しなかったのか? 復活の可能性は……?

マイナビニュース / 2024年4月27日 8時0分

そのほか、1980年代のバイクは水冷化や多気筒・多バルブ化といった技術革新のラッシュで急激にパワーアップしていたので、さらにターボでパワーを上乗せしても1本のリアタイヤだけでは受け止められません。重量やコストも増加するため、ターボバイクの市販開発を続けるのは現実的ではなかったはずです。

■市販ターボバイクが復活する可能性は……?

こうして各メーカーから市販されたターボバイクは一代で終わりましたが、今でもクルマやバイク好きにとって「ターボ」という言葉の響きは格別であり、ロマンに満ちたパワーアップ・パーツです。そのため、パーツメーカーやバイクショップ、プライベートチューナーが市販車を改造してターボ化するカスタム事例も数多くあります。

とはいえ、これは一部の熱狂的なマニアだけが楽しめる世界であり、ガソリンエンジンが悪者呼ばわりされる現代では、ほとんどの人は市販車としてターボバイクが復活するのは難しいと考えているはずです。しかし、その可能性はゼロではないかもしれません。

ターボではありませんが、2014年にカワサキからスーパーチャージャーを搭載した「Ninja H2」が市販され、世界中のライダーから驚きと称賛の声が上がりました。現時点ではメーカーの技術力を示すプレミアムモデルですが、このご時世に過給機を搭載したバイクが市販されたことは今後の発展を期待させるもので、実はほかの国内3メーカーからもバイク用過給機に関する特許が出願されています。

現在、バイクやクルマのエンジンはカーボンニュートラルに対応した次世代パワートレインへ移行する流れにありますが、EVやハイブリッドのほかにも従来の(レシプロ)エンジンを利用できるバイオ燃料や水素といった脱炭素燃料の実用化も進んでいます。すでにバイオ燃料は国内外のバイクレースで導入され、水素エンジンは国内オートバイ4メーカーとトヨタや川崎重工による共同研究組合「HySE」が設立し、2024年1月には過給機付きのバイク用水素エンジンを搭載したバギーが過酷なダカールラリーを完走しました。

かつてはピークパワーを追及するイメージが強かったターボも、現在は省燃費と扱いやすいパワーを備えた「ダウンサイジングターボ」として復活しましたので、次世代燃料が確立すれば再び市販のターボバイクが登場するかもしれません。現代のバイクは“モアパワー”よりも“テイスト”を楽しむ時代。誇らしげに輝く「TURBO」のエンブレムや、ジェット機のようなタービンサウンドに魅了される方も多いのではないでしょうか。

津原リョウ 二輪・四輪、IT、家電などの商品企画や広告・デザイン全般に従事するクリエイター。エンジンOHからON/OFFサーキット走行、長距離キャンプツーリングまでバイク遊びは一通り経験し、1950年代のBMWから最新スポーツまで数多く試乗。印象的だったバイクは「MVアグスタ F4」と「Kawasaki KX500」。 この著者の記事一覧はこちら
(津原リョウ)



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