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大河原克行のNewsInsight 第298回 白物家電は「建て直し必須」…パナソニックの危機感、市場激変で構造改革まったなし

マイナビニュース / 2024年6月14日 11時33分

品田CEOは、新販売スキームによって、商品力を持たない商品をふるいにかけるという意図があったことにも言及。「新販売スキームの対象商品では、3年間に渡り1円も値下げをしなかった商品がある一方で、発売から1カ月で価格を下げなくてはならない商品もあった。ふるいにかけて、お客様に支持される商品を、すべての事業体が作れるようにしたい」と語った。

なお、国内白物家電全体では、限界利益率は2021年度から0.3%良化。固定費は減価償却を除くと良化。実需連動SCMでは、販売機会損失の軽減や、在庫流動性の向上などにより、流通在庫の22%削減と、即納率99%を実現できたという。
「健全ではない満足感」を脱し、「健全な危機感」を持つ

こうした過去2年間の取り組みを踏まえて、2024年度は、総需要の想定を見直すとともに、「ボリュームゾーン攻略に向けた価格競争力の強化」、「プレミアムゾーンの盤石化を目指した愛される商品陣容の強化」、「新販売スキーム商品の拡大」、「さらなるコスト削減による外部環境悪化の打ち返し」、「実需連動SCMプロセスの拡大」の5点に取り組む。

とくに、「ボリュームゾーン攻略に向けた価格競争力の強化」では、堂埜社長が中国・北東アジア社で強力に推進してきたグローバル標準コストの導入を全商品に展開。堂埜社長は、「中国勢に負けない価格競争力を実現し、劣後していた商品競争力を改善する。それを行った上で、パナソニックの強みである差別化技術を織り込んだ『愛される商品』の陣容強化を図る」とした。

具体的には、顧客にとって不要な機能を大胆に取り除くことで、コストダウンにつなげるとともに、顧客にとってわかりやすく、使いやすい商品に生まれ変える。価格差や機能差の明確化を図るとともに、必要な商品仕様を研ぎ澄ました引き算の商品企画を実現するという。

また、原価構築については、日本の過去の常識を排除して、中国大手メーカーの商品を徹底的にベンチマークし、これらメーカーの部品や材料を採用することや、可能な限りその部品やモジュールをラインアップ間で共用化していく取り組みを進めることになる。

「直近3年間の中国での白物家電事業において、日本側の常識をことごとく排除して、原価構築の新たな考え方を徹底的に導入した。その結果、中国・北東アジア社は、中国メーカーと価格で伍して戦えるような体質に変革することができた。これを、日本市場においても聖域なく導入していく」と述べ、「これを高速実現するために、私は中国から呼ばれたのではないかと思っている」とも述べた。

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