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「SVGMap」とは? ハイパーレイヤリングを使った災害情報表示システム

マイナビニュース / 2024年6月21日 20時13分

画像提供:マイナビニュース

2024年6月12日から14日まで、Interop Tokyo 2024が開催された。興味深い展示が多かったが、ここでは、Web技術の標準化団体であるWorld Wide Web Consortium(W3C)の「KDDI SVGMap」ブースに展示されたSVGMapを紹介したい。

Web上で地図を表示させる標準技術のSVGMapと、この技術が持つハイパーレイヤリングと呼ばれるアーキテクチャをベースとし、災害情報システムなどが実用化されている。本稿ではこのシステムの技術背景、そしてどういった経緯で開発されたのかについて、ハイパーレイヤリングの構想を20年以上前に編み出したKDDIコア技術統括本部 次世代自動化開発本部の高木悟氏にお話をうかがった。

SVGMapとハイパーレイヤリングの歴史

ハイパーレイヤリングアーキテクチャを導入したウェブマップの標準技術SVGMapを実装したフレームワークの開発を担当しております。

この技術についてお話しする前に、まず重要な背景をお話しさせてください。災害対策・災害対応においては、必要な情報を収集し表示するなど、Webが重要な役割を果たしていることは皆さんもお察しいただけると思います。しかし、Webには課題がないわけではありません。特に近年、災害が増え、その対策が急務となっているなか、災害時におけるWebにどんな課題があったかの反省や見直しをし続けています。このような手続きにおいて、必要な技術を再発見しているのが今の状況だと思います。

防災のコミュニティのなかで広く共通認識となっているWebの問題点は次のようなものです。2011年の東日本大震災の時点で、すでに気象庁、国土交通省、防災科学技術研究所など複数の組織がそれぞれのWebサイトを運営していて、防災に役立つ情報を発信していました。これらをみれば、被災状況などを得ることができました。また、地震以外でも、災害が予想される状況になると、多くの事業者が監視体制を強化しこれらのサイトを見るようになります。では、災害対策において、どのサイトが最適であったかというと、どのサイトでも情報が不足していました。たとえば、弊社の場合、基地局の状態などを監視します。降雨があれば、大雨の区域・土砂災害危険度などの情報を見つつ、さらにお客さまのトラフィックがどうなっているかを同時に監視します。それを1枚の画面に統合して、表示したいという要望がありました。これは地図をベースとした情報の一元的な可視化であり、ダッシュボードといわれるようなものです。

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