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Intel Tech Talkで見えたLunar Lakeにおける低消費電力と高性能の両立へのこだわり

マイナビニュース / 2024年6月27日 6時45分

このほか、Pコアの「Lion Cove」(開発コード名)は、性能・消費電力・面積(PPA)のバランスを最重要視する形でマイクロアーキテクチャをほぼ刷新する形で開発されており、低消費電力を実現する手法として、ハイパースレッディングテクノロジー(HTT)の非搭載化、L0キャッシュの追加とL1キャッシュおよびL2キャッシュの容量増加によるキャッシュミスヒット時のレイテンシ改善によるIPCの向上、電源周波数のAI制御によるオーバーシュートの削減、クロック間隔を従来の100MHz単位から16.67MHz単位へと細分化などを採用。こうした取り組みにより、Meteor LakeのPコア(Redwood Cove:開発コード名)と比べて、同じ周波数で動作させると平均14%のIPC向上を果たしたほか、1Wあたりのパフォーマンスも10%以上の向上を果たしたとする。

重要な位置づけを担うLunar LakeのEコア

Lunar LakeにはPコアのLion Coveに加え、新たなEコア「Skymont」(開発コード名)も搭載されている。

Meteor Lakeでは、PコアとEコアに加え、SoCタイルにLow Power Eコア(LP Eコア)と呼ぶ、アイドル時や負荷が高くないときに使われる別のEコアが搭載されていた。これをLunar Lakeでは、1つのEコアとするべく新たなアーキテクチャとしてSkymontが開発された。

安生氏は「低電力アイランドにありながらも、性能のダイナミックレンジを持った、マルチスレッドのパフォーマンスを向上させるアーキテクチャに変更するのと同時に、ベクトル演算とスループットの向上のためにVNNI(Vector Neural Network Instruction)機能のサポート強化も実施。拡張性にも考慮を行うなど、全体的なパフォーマンス向上を意識して開発された」と、その重要性を強調。分岐予測の考慮のための並列フェッチ数の増加やより深い命令を探ることでプログラム内の並列度の抽出を高める工夫や、AIスループット向上のためのSIMDベクトル演算のレイテンシ改善の工夫などを行った結果、Meteor LakeのEコア(Crestmont:開発コード名)と比べて、シングルスレッドFP性能は1.68倍に向上したほか、マルチスレッドINTでは、Crestmont×2に対してSkymont×4構成で、LP Eコアの最大性能時に比べて消費電力は1/3に低減、パフォーマンスは2.9倍向上できるようにしたとする。

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