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大河原克行のNewsInsight 第303回 「テレビ撤退」という誤解、シャープのテレビ事業戦略を改めて追う

マイナビニュース / 2024年6月30日 16時47分

さらに、AIオート機能では、部屋の明るさに応じて画質を自動調整する「環境センシング」を進化させ、部屋の色温度の検知による調整を可能としている。

また、狭額縁をはじめとしたデザイン性なども、テレビメーカーとしての差別化になる。
「シャープのテレビの国内シェアは着実に上昇している。なかでも、高機能モデルや大画面モデルの販売比率が高まっており、平均単価は10%以上の上昇となっている。また、シャープの2024年モデルの出足も好調であり、前年のモデルに比べて、2倍の売れ行きをみせている」(シャープの岡本本部長)と、シャープのテレビに対する評価が高まっていることを示す。

国内では、2011年3月の地上デジタル放送への移行により、2009年度から2011年度までの3年間で5600万台のテレビが販売され、いまは、それらのテレビが買い替えサイクルに入ってきたところだ。また、2012年度は平均が32.9型だったものが、2023年度は平均で42.4型と、約10インチ大型化しているという点も見逃せない。狭額縁化により、10インチ拡大しても、同じ場所に設置できるといった提案も増えているという。

シャープでは、こうした動きを捉えながら、買い替えに最適なテレビとして、シェア拡大を目指す考えだ。

AQUOSは、2025年度には、2001年1月の発売から25年目を迎えることになる。また、同社によると、2024年内には、AQUOSの国内累計出荷で5500万台に到達する予定だという。

では、今後のシャープのテレビの方向性はどうなるのだろうか。

同社では、日本市場向けには、独自特長製品を強化する方針を打ち出す。

2024年モデルにおいても、AIを進化させることで、画質や音質を強化し、誰でも簡単に最高の環境での視聴ができるようにしたほか、インターネットに接続しやすい操作性や、二画面表示によるテレビの新たな使い方提案を行っている。

「独自の画像処理により、アニメの映像表示に強いという点も、シャープの特長のひとつにしていきたい。また、エクササイズをする際に、インストラクターの映像だけでなく、テレビに付属したカメラで、自分の様子を映し出して、二画面で比べながら運動するといった使い方もできる」という。

今後は、ネット接続対応モデルでは87%という高いネット接続率を生かした提案を加速。AIを通じて、コミュニケーションを強化した活用提案を進める考えを示す。さらに、シャープが独自のエッジAIである「CE-LLM」の活用も、将来のテレビの進化につながることになりそうだ。

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