大河原克行のNewsInsight 第303回 「テレビ撤退」という誤解、シャープのテレビ事業戦略を改めて追う
マイナビニュース / 2024年6月30日 16時47分
シャープの岡本本部長は、「心躍るエンターテイメントデバイスを生み出す」と意気込む。これまでの受像機としてのテレビの役割を超えたデバイスを目指しているという。
一方、海外事業も拡大する方針を示しており、そこに向けた製品強化も進める。
とくに、ASEANや米州を重点エリアと位置づけるほか、欧州や中国でもテレビ事業を推進する。ASEANでは、シャープブランドが評価されていることや、テレビの生産拠点を持つ強みを生かして、事業を強化。米州では、他社にライセンスしていたブランドを取り戻し、2023年夏から市場に再参入。2025年度に向けて、パートナーとの連携による地盤の再構築に取り組んでいるところだ。
「液晶のシャープ」が「パネルを使いこなす」立ち回り
長年に渡り、「液晶のシャープ」と呼ばれた同社だが、中期経営方針で打ち出した新たな取り組みでは、大型液晶パネルの生産からは撤退し、中小型液晶パネルの生産は縮小することになる。だが、液晶の開発と、液晶テレビの事業は継続する体制へと移行する。
また、かつての垂直統合型のビジネスではなく、水平分業により、視聴環境や好みのコンテンツ、ニーズにあわせて選択できるようにラインアップする。
シャープでは、2020年に、液晶以外にも、OLEDを選択できるようにテレビのラインアップを拡大。フラッグシップモデルにも外部から調達したパネルを使用した製品を用意するなど、すでに戦略が大きく変化している。
今後はこれを加速し、4K LCD、XLED(mini LED)、OLED、QD-OLEDといった4つのタイプを用意。さらに19型から85型までの14サイズで展開し、ニーズに最適なパネルを外部から調達し、テレビ事業を推進することになる。
シャープの上杉副事業部長は、「これからは、パネルを使いこなすことが、テレビの差異化につながる」とする。
液晶パネルの性能ではなく、液晶パネルの使いこなしへと競争軸が移行するなかで、シャープの優位性をどう発揮するかが、これからのテレビ事業の焦点になる。
(大河原克行)
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