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大河原克行のNewsInsight 第307回 シャープ再建を託された沖津雅浩社長、「必達を誓う」黒字化と成長の方策

マイナビニュース / 2024年7月17日 19時12分

すでに発表しているSDP(堺ディスプレイプロダクツ)の液晶パネルの生産停止については、7月20日過ぎに、最終製品の投入を開始し、約1カ月後にパネルが完成することから、その時点で工場の操業が停止することを明確に示し、その後はAIデータセンターに移管するほか、液晶パネルの生産設備を利用してもらうために外部の企業に働きかけを行っていくことになる。

AIデータセンターについては、ソフトバンクやKDDIなどと話し合いを進めていることに触れながら、「新たな協業が増えることはない。建屋を貸与するか、売却するかは決まっていない」と説明した。

次世代液晶やnanoLEDパネルの開発は続けていく考えであり、「開発した技術を使ってもらえるような企業になりたい。インドで生産する企業に対する支援なども行っていく。ファブレスの液晶パネル技術開発企業を目指す」との姿勢を強調した。

シャープでは、鴻海出身のCEOが続いていたが、その間の経営については、「業績が悪化したシャープを、鴻海が助けてくれた。戴正呉氏は、工場、事業本部、販売会社までを、本部長が責任を持って見る仕組みへと変更し、それによって意識が変わり、非効率性がなくなった。また、呉氏は若い社長であり、若い社員にとっていい反響があった。鴻海の経営層からは、シャープにないのはスピードであると指摘され、その通りだと思った」などとした。

沖津社長兼CEOは、7月1日付で、社員向けにCEOメッセージを発信している。

「経営幹部、ビジネスグループ長、ビジネスユニット長、さらには社員全員がいま一度ベクトルをあわせ、One SHARPで一致団結し、今後も業務改善に取り組んでいく。この正念場を乗り越え、私たちのシャープを世界に誇れる会社に成長させよう」と発信。「グローバルで4万人強の社員がいる。それぞれの組織がうまく機能することで強い会社になれる。トップから一般社員まで、風通しがいいコミュニケーションが必要であるが、これまでの社内伝達の仕組みには課題があったと感じている。もっとわかりやすい言葉で伝える必要もある。CEOメッセージにも難しい言葉は使わないようにしている。中間管理職が社員にしっかりと伝達することも大切である。発信したあとにフィードバックを得ることで、一方通行だったコミュニケーションを見直していく」と述べた。

また、人材育成への投資を積極化するほか、働きやすい環境への改善を進めることで、「人が来てくれるような人気がある会社にしたい」という目標を掲げたほか、本社移転については、「本社に勤務している社員の不満は、遠いという点である。それによって、社員の獲得にも影響がある。私自身も、本社を大阪市内に戻したいとは考えている。西田辺の旧本社前の場所も案のひとつであるが、決まったものはない。まずはきちんと利益を出して、移転できる資金を作らなくてはならない」などと語った。

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