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大河原克行のNewsInsight 第317回 パナソニック理美容家電が快進撃、ヒット連発の理由は? 経営トップに聞く

マイナビニュース / 2024年8月23日 16時32分

――そこにヒット商品を生み出すヒントがありそうですね。

南波:ビューティ・パーソナルケア事業は、旧パナソニック電工の流れを汲んだ事業であり、そこには、いくつかの先人の言葉があります。ひとつは、「掘り抜き井戸」です。井戸を掘って、地下水脈まで到達すれば、水は涸れることなく、こんこんと湧き出ます。これと同じように、欲しくなる商品を実現するために、研究に研究を重ねて、突き詰めるという取り組みです。シェーバーやヘアドライヤー、マッサージチェア、電動工具などの事業は、すべて掘り抜いてきた結果、高い評価を得た商品だといえます。

私が最初にヘアドライヤーを担当した30年以上前は、決して強い商品ではありませんでしたが、2005年に、初めてナノイーを搭載したヘアドライヤーを発売したとき、それまでの髪を乾かすというドライヤーの役割を、美しい髪にするためのドライヤーへと大きく変革させ、それが市場に受け入れられて、大ヒット商品となりました。

1980円のドライヤーでいいという時代に、2万円のドライヤーを発売したわけですから、最初はどれだけ売れるかは未知数でしたが、その性能が高く評価され、さらに、競合メーカーがこの分野に追随したことで、新たな市場が形成されました。

2019年には、ナノイーの水分発生量を18倍に向上して、髪の内部への浸透を高めた高浸透ナノイー搭載のヘアドライヤー「EH-NA0B」を発売し、さらに、2024年9月からは、新たに「ナノケア ULTMATE」を発売し、水分発生量を最大10倍とした第2世代の高浸透ナノイーを採用し、お客様がなりたい髪や、お客様の髪に合わせられるドライヤーを完成させました。誰も体験がしたことがないドライヤーといえるもので、井戸を掘り抜いたからこそ、実現できた商品だといえます。

そして、もうひとつの言葉が「強み伝い」です。

――「強み伝い」にはどんな意味がありますか。

南波:これは、長所を生かす、実績を大切にするといった意味があり、ビューティ・パーソナルケア事業が持つ強みを、新たな事業展開やグローバル展開などにつなげるといったことは、「強み伝い」を実現する取り組みだといえます。たとえば、シェーバーの強みは、刃やモーターにあります。こうした強いパーツを使って、商品を変え、お客様を変えて提案することは「強み伝え」のひとつです。シェーバーで培った技術やノウハウを活用して、女性用のボディフェリエやVIOフェリエに生かすといったことがその成果です。

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