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大河原克行のNewsInsight 第317回 パナソニック理美容家電が快進撃、ヒット連発の理由は? 経営トップに聞く

マイナビニュース / 2024年8月23日 16時32分

――欧州市場向けには、独自のマルチシェイプを投入していますね。

南波:マルチシェイプは、欧州発の商品であり、新たな取り組みのひとつです。ひとつのボディに複数のアタッチメントを取り付けて利用することが可能で、髭や髪、体毛、鼻毛のトリミング、髭剃りや歯磨きなどの利用が可能です。用意した5種類のアタッチメントは、自分が欲しいものを選んで購入することができます。欧州では、これまでにもシェーバーや髭トリマーなどの販売実績がありますが、市場調査をしてみると、髭トリマーを使って、体毛や髪の手入れをしているという人がかなりいることがわかりました。実は、マルチシェイプのような商品は、約10年前から検討をしていたのですが、低価格の商品が数多く出回っており、パナソニックが差別化するには難しいと判断していました。しかし、エコに対する意識が高い欧州において、充電器や本体が1台で済むという提案が受け入れられやすいこと、そこに対して、価格が高くても、本格的な機能を持った商品が欲しいといったニーズに対応できると判断し、市場投入しました。欧州では順調な売れ行きを示しており、中東や北米にも展開しています。

これまでの商品の多くは、まず日本で売れるかどうかを前提に企画を行ってきました。得意とする市場において、その市場に向けた商品を投入すれば、一定の販売数量が見込めるからです。しかし、マルチシェイプは、それとは異なる商品で、日本での需要は見込めなくても、海外の大きな需要に向けてチャレンジした商品といえます。パナソニックのビューティ・パーソナルケア事業が、グローバル化した体質に変わるのならば、5年後や、10年後には、こうしたビジネスの仕方が当たり前にならなくてはいけないと思っています。
好調な2024年度であっても準備期間、中期計画で狙うナンバーワン

――2024年度第1四半期は、くらしアプライアンス社の3つの事業部のなかで、ビューティ・パーソナルケア事業部だけが増収増益でした。いいスタートを切れていますね。

南波:2024年度も、通期での増販増益を目指します。ただ、業績が良ければいいということが2024年度の評価ポイントだとは思っていません。2025年度から始まる次期中期経営計画の1年目に向けて、成長する準備や、成長に向けた練習ができたかどうかが重要だと思っています。

そのひとつが、次の需要を創出する取り組みです。具体的には、電動歯ブラシをはじめとしたオーラルケアの商品を強化すること、ビューティでは、EPIの脱毛器などのエステ商品の強化、ヘルシーではコリ治療のコリコランの強化などを進め、サブカテゴリー領域でも、成長に向けた土壌をつくりたいと考えています。

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