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大河原克行のNewsInsight 第318回 「ピンチはチャンス」 キングジムの新社長、ファイル需要激減に新たな挑戦

マイナビニュース / 2024年9月2日 15時58分

「2023年10月に、『行くぜ!KJ(キングジム)』プロジェクトを、私がリーダーになって立ち上げた。中期経営計画は経営企画部門が中心になって策定してきたが、今回は、若い世代や女性も入って検討をしている。第10次中期経営計画は目標には到達しなかった。ファイルの売上げが下落し、テプラの販売数が伸び悩み、コロナ禍での巣ごもり需要が落ち着いたことで、グループ会社の多くが目標未達となった。また、円安進行に加えて、原材料費や物流費の高騰の影響も受けた。価格改定も追いつかなかった」と振り返る。

第10次中期経営計画の最終年度(2024年6月期)は、480億円の売上高目標に対して、82.4%の達成率となる395億円に留まった。また、経常利益は34億円の目標に対して、1億円となり、達成率は3.8%と大幅な未達となった。

「いまこそ、経営理念である『独創的な商品を開発し、新たな文化の創造をもって社会に貢献する』ことが重要である。キングジムならでは独創的な商品を作り、お客様にワクワクするものを提供し、習慣、文化における問題を解決していくことが、我々が社会に役立つ部分である。そして、時代に適応して、変化、革新ができることがキングジムの強みである。少子高齢化による生産年齢人口の減少、フレキシブルな働き方への変化、DXの加速によるペーパーレスの進展、サステナビリティの考え方の浸透といった社会変化に適応した大胆な変革が必要である」と述べた。

第11次中期経営計画においては、テクノロジーで顧客とつながる「カスタマードリブン」、土地勘のある市場への進出を加速する「隣の土地へ」、海外展開の再構築を進める「グローバル市場」の3つのキーワードを打ち出した。

さらに、販売戦略、開発領域、デザインの観点から「既存ビジネスの強化」を図るほか、海外工場、ファンコミュニケーション、人的資本、サステナビリティを「資源」と位置づけて、これらを活用しながら、「サービス事業への展開」、「ライフスタイル分野の拡大」、「海外事業の強化」による3つで構成する「骨太の方針」を推進する。

既存ビジネスの強化は、テプラやステーショナリー、デジタル文具、バッグ・収納用品、オフィス・生活環境用品、スタイル文具のカテゴリーで展開する文具事務用品事業を対象にしたテコ入れ策となる。

具体的には、顧客と商品の特性にあった販売チャネルを確立。従来からの通販チャネル、量販チャネル、文具事務用品チャネルを強化する一方で、営業と開発の2つの機能を持つデマンドチェーンクリエーションと呼ぶ組織を新設し、販路の開拓とともに、顧客のニーズにあったマーケットイン型の商品開発を行い、新たな価値を提供することになるという。デマンドチェーンクリエーションは、プロジェクトとして設置するのではなく、営業部門のなかに新たな組織として設置。女性リーダーによって推進する体制としており、木村次期社長の肝入れの組織となっている。

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