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大河原克行のNewsInsight 第318回 「ピンチはチャンス」 キングジムの新社長、ファイル需要激減に新たな挑戦

マイナビニュース / 2024年9月2日 15時58分

3つめの「海外事業の強化」では、「海外に本格的に進出する。中国とベトナムを中心としたASEANを最重要地域にする」と宣言。「これまでは国内で販売していたものを海外に販売するというものだったが、マーケットインによる海外向け商品開発を進める。現地に最適化し、ローカライゼーションした商品を作る。デザイン室長は中国に赴任し、開発部門も中国とベトナムに設置した。上海では現地のコンサルタントと一緒になり、ターゲットを明確化し、その人たちがどんな生活をしているのかといったことを知る活動を開始している。海外のデザイナーとともに、デザインし、モノをつくり、機能や価格を考えていくことになる」と、すでに取り組みを開始していることに言及した。

キングジムは、上海、深セン、香港に拠点を持つほか、中国国内にファイルの生産拠点も有している。今後、海外販路を強化するために戦略M&Aも検討するという。

「海外売上比率は、現在の4%から、2027年3月期には10%に拡大する」との目標も示した。

3つの「骨太の方針」の方針を支えるのが、4つの「資源」である。

海外工場の活用では、ベトナムおよびインドネシア、マレーシアの工場を、これまでのファイル製品だけでなく、ライフスタイル用品の生産拠点に進化。開発部門も同じ拠点に置くことで新分野商品の生産を推進するという。具体的には、ベトナム工場では、ライフスタイル商品に強みを持つグループ会社のラドンナと連携し、キッチン雑貨商品の開発および生産を開始。インドネシア工場では家電通販に強みを持つグループ会社のぼん家具と連携し、木製組立家具の生産を開始しており、「このスピードをもっと加速させたい」と述べた。

ファンコミュニケーションでは、50万人の登録者数を誇るSNSを利用したり、得意とするECサイトを活用。「SNSでお客様の声をしっかりと拾い、限定商品を作って、イベントなどでテストマーケティングを行い、評価が高かったものを既存流通に展開するという新たな活動を循環させる」

キングジムが運営する文房具ブランドであるHITOTOKIでは、20人以上の地方在住のデザイナーとの協業により、新たな価値をECサイトやSNSなどを通じて発信している

2024年4月に、東京・代官山のT-SITEで、HITOTOKI展を開催。文具以外を含む限定商品も販売し、ファンコミュニティを活用して、新たな価値を創造するカスタマーエンゲージメントを実現しているという。

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