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大河原克行のNewsInsight 第318回 「ピンチはチャンス」 キングジムの新社長、ファイル需要激減に新たな挑戦

マイナビニュース / 2024年9月2日 15時58分

さらに、社会の変化にあわせた商品開発を推進。オフィスだけでなく、エッセンシャルワーカーなどを含んだ「働く現場」、暮らしを便利にして、寄り添う「暮らし」を対象にした商品開発に取り組むという。「開発領域における成長ドライバーは、デザイン、デジタル、環境エシカルになる。とくにデザインは強化したい。キングジムの商品は、アイデアの要素が多い。そこにデザインを掛け合わせていく」と述べた。

新たなデザインフィロソフィーを制定。「ファンと生むアイデアとデザイン」とし、「デザイン力で企業価値をしっかりと向上させていきたい。テプラやファイルが持つ機能美に、感性価値を掛け算して、新たなキングジムを作っていきたい」との姿勢を明確にした。

キングジムでは、新たに「デザイン・ブランドコミッティ構想」を宣言した。KING JIM Creative Centerを新設と、国内外のアーティストやデザイナーを巻き込んで、キングジムデザインを総合的にプロデュースしていくことになるという。
○時代の変化、事業変革へ3つの「骨太の方針」

3つの「骨太の方針」についても言及した。

ひとつめの「サービス事業への展開」では、デザインとデジタルを活用した新サービスの創出に取り組む。「テプラは、ファイルの背ラベル用途だけでなく、コミュニケーションツールとして利用されるようになっている。YouTubeを活用して、様々な業種の現場において、テプラが役立っていることを訴求している。今後、デザインデジタルプラットフォームを構築して、『テプラのキングジム』から『ビジュアルコミュニケーションのキングジム』に変えていく。そのために外部のデザイナーに入ってもらったり、AIを最大限活用したりといったことも考えている。サービス業に乗り出そうと考えている」と、新たなサービス事業の展開に意欲をみせた。

2つめの「ライフスタイル分野の拡大」では、「土地勘のある隣の土地の開拓」を進める。

「キングジムは、ステーショナリーで事業を開始し、その後、M&Aを通じて事業を拡大してきた。それぞれの事業はバラバラのように見えるが、よく見ると、土地勘がある隣の土地ともいえる事業ばかりである。グループ会社の成長戦略と結びつけることで、文具のキングジムからの脱皮を図り、ライフスタイル用品を販売するキングジムに変わっていきたい」

社内にグループマネジメントコミッティを新設。各グループ会社の社長やキーマンが参加して連携強化を図る。「遠心力と求心力のバランスを取りながら、グループシナジーを高め、売上高と利益の最大化を図っていく」と述べた。

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