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産総研とEUV研究で連携、前工程から後工程まで半導体技術開発で日本との関係性強化を図るIntel

マイナビニュース / 2024年9月3日 18時46分

日本の研究機関との連携で、次世代技術の研究開発を強化

Intel Federal社長 ジェネラル・マネージャーであるクリストファー・ジョージ氏は、「Intelでは、通常の半導体プロセスの微細化に向けた取り組みのみならず、次世代HPCやAI、量子システムの構築に向けた研究開発も行ってきた。そうした新たな分野の技術を実現していく中で、マテリアルエコシステムとして日本は重要なパートナー」と指摘し、理化学研究所(理研)や産業技術総合研究所(産総研)、東京大学(東大)などといった日本の研究機関との連携の重要性を強調した。

その理研の計算科学研究センター センター長を務める松岡聡氏は、「今のAIは数千億から1兆規模のパラメータでトレーニングしているが、それだと産業界が必要とするスパコンの世界を考えると限界が来る。スパコンでは、AIだけでなく第一原理計算シミュレーションなども実行されており、ゼタスケールの演算能力を目指す時代になっている。その際には量子計算も含まれることとなり、従来の計算から量子計算まですべてが一緒になる世界を作る必要がある」と指摘。現在の科学文明まで人類が発展できた背景には、サイエンスやエンジニアリングによる新たな発見や新技術の創出があり、AIがそうした本当の意味でのクリエイションができないと、限界がくるとし、科学データはこれまでの生成AIで必要とされたデータ量に比べて桁違いにデータ量が多く、そうしたデータをAIが活用できるようにしていくことが理研としての役割であるとし、2023年5月にIntelと理研が締結したAI、HPC、量子コンピュータなどの次世代コンピューティング分野における共同研究を加速させる連携・協力に関する覚書はそうした両者で協力していく意味合いがあるとする。

また、理研の現在のスパコン「富岳」の次世代機となる「富岳NEXT」の方向性として、「重要になるのはメモリ技術。メモリがイノベーションを生み出すことが重要」と指摘。こうしたイノベーションを生み出すことで富岳NEXTでは見たこともない価値の創出を目指すとしていた。

このメモリのイノベーションに関して東大 特別教授室 特別教授の黒田忠広氏は、「AI処理のボトルネックは演算処理よりもメモリにある」と説明した。

AIとシミュレーションの活用により、物理現象を仮想空間で実証し、その結果を物理現象に反映させる、いわゆるデジタルツインの活用が進むことが期待されている。黒田氏も「デジタルツインで実現するための物理空間と仮想空間の高度な融合が、さらなる半導体の発展のドライブになる。これが一言で言えばAIという存在になる」とし、物理空間の価値づけが比較的うまい日本と、仮想空間の価値づけがうまい米国、これからの時代に、両者が高度に連携する必要がある時代に突入するとの見方を示した。

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