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産総研とEUV研究で連携、前工程から後工程まで半導体技術開発で日本との関係性強化を図るIntel

マイナビニュース / 2024年9月3日 18時46分

その一方で、膨大は演算処理を行っていくためには膨大な電力を消費する必要があり、「2025年以降、世界のいたるところでエネルギー需要がひっ迫する。とりわけアジアがひっ迫する。これからの安全保障として、電力をいかに安定的に供給できるかという点と半導体の省エネ化が重要になる」とも指摘。AIサーバは従来サーバよりも電力を消費するとされているが、その内訳として割合の大きなものはGPUが30%、そしてDRAMが合計で48%を占めると試算されるとする。「DRAMのデータの読み書きだけで全体の10%の電力を消費する。GPUとメモリ間のデータのやり取りで19%、そしてDRAM内のデータ移動で19%。まさにフォン・ノイマン・ボトルネックであり、AI処理で頻繁にデータが移動することで、エネルギーの無駄遣いが頻繁に発生することになっている」とデータをいかに移動させないで処理することが今後、重要なポイントになってくるとし、メモリとプロセッサを可能な限り近くに配置するアプローチが求められるとする。

従来、DRAMとプロセッサは基板上の別々の場所に配置され、電気配線を介してやり取りをしていた。現在、帯域メモリと呼ばれるHBMがGPUと同じパッケージ上に設置されており、従来比では電力対性能比を向上させているが、両者間のデータ移動は2次元的なもので、この移動エネルギーのさらなる削減には、プロセッサ・イン・メモリの考え方もあるが、本質的にはプロセッサの上か下にメモリを持ってきてつなげる、いわゆる三次元実装(3D実装)が最適と考えられている。

その実現のためにシミュレーションソフトなども出てきているが、実際問題として各チップ/ダイから発生する熱が問題となる。3D化に伴って、熱密度が向上してしまい、それを解決できなければ、実用的ではない。「シリコンの基板は上手に熱を逃がせるが横に積むと、SiO2(絶縁層)が邪魔をして熱をこもらせるので、メモリチップを縦に100枚とか立てて並べるといったことも机上では考えられる。これを実現するためには研究開発が必要。その研究能力は日本にあるし、製造装置や材料も日本にある。日本は三次元実装で世界に貢献できるチャンスがある」と、半導体の3次元化は日本の半導体産業にとって、まさに好機到来であるとする。また、「AIの推進には3Dパッケージングが重要であり、Intelを中心に日本の企業やアカデミアが連携する時代がきた」と、デバイス-装置-材料という半導体エコシステムの構築が重要となることを強調した。

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