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建設DXはどのように進化していくのか

マイナビニュース / 2024年9月26日 10時0分

野原: ロボットを扱うロボットオペレーターという職種にすれば、やりたい人がいるでしょう。

村上: ある鉄骨屋さんに聞いたのですが、工場で鉄骨の溶接をロボットにやらせるため、専門のロボットオペレーターを雇ったそうです。

そこは、ロボット溶接をするというラインと、昔ながらの職人さんが担当する手溶接でしかできない難しい仕事があります。その職人さんの働きぶりを見たロボットオペレーターが、ある日自分も手溶接をやりたいと言い出して、溶接資格の勉強を始めたんですよ。

野原: 働き方にもいろいろ選択肢を持てますね。その方は手溶接の職人を目指しましたが、オペレーターに充実感を感じる方も多いと思います。

村上: そうですね。そういう意味では働く選択肢はいろいろある産業ですし、常にそれぞれの働き方にニーズがあります。

例えば、設計施工の建物では、設計の段階で、ロボットで対応する範囲と手作業が必要な範囲を切り分けることも考えられます。先ほど触れたように、8割の施工はロボットと人の手を混在させながら作っていける現場でしょうから、どちらか一方だけがあればよいということにはなりません。オペレーターの道を極めたい人は操作技術を身につけてもらい、職人になりたい人は匠の隣で技を学んでほしいですね。

野原: 余談ですが、宮大工のような匠の技が必要な現場であっても、その技術が必要な仕事と、そうでない仕事とが切り分けられていないので、入職2年目の人も、30年目の人も基本的に同じ仕事をやりますよね。そこをちゃんと切り分けできれば、面白くなるんじゃないかなと思うんですよね。

村上: われわれは設計施工でやることも結構多いので、おっしゃるように設計段階から切り分けを考えておかないといけない。設計が決まってから、「これは職人ができるね」とか「これはロボットができる」ではなくて、設計段階で、「こういう設計にしておけば、ここはロボットでもできる」「これはどう考えてもロボットには無理だから匠に入ってもらう」と。

若い人はその匠の横に立って、匠の技を見とけという。このようにすることで、設計段階からの範囲の切り分けが考えられるようになるかもしれません。

野原: ところで、先ほどお話に出た、「現場がデジタル化していないと、道具だけあっても使えない」という話に個人的には危機感を感じたのですが。上場ゼネコンでそうだとすると、中小の建設会社はどうなるのでしょう。中小がやっている仕事を全部大きな会社で見られるかというと多分そんなことはできない。こうした中小の建設会社をサポートするような取り組みも必要ではないかと思うんですが。

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