建設DXはどのように進化していくのか
マイナビニュース / 2024年9月26日 10時0分
●DXが進まなかった理由とコンソーシアムの必要性
建設産業の内外に「建設DX(デジタルトランスフォーメーション)」を実現しなければいけないという意識はあるのに、なかなか進まない現状があります。
本連載では、その理由が何なのか、建設DXの普及を牽引する企業である野原グループの代表取締役社長兼グループCEO、野原弘輔氏をホストに、建設産業に携わる多様な立場のゲストの方との対談を通じて、建設産業への思い、DXへの取り組みについて浮き彫りにします。
○建設RXコンソーシアム 会長 村上陸太
1983年、京都大学大学院工学研究科(建築学)修了。竹中工務店入社。大阪本店設計部構造部長、執行役員技術本部長などを経て2024年から専務執行役員技術・デジタル統括兼技術開発・研究開発・構造設計担当。
建設RXコンソーシアムは、作業所におけるさらなる高効率化や省人化を目指し、建設業界全体の生産性および魅力向上を推進するために、施工段階で必要となる、ロボット技術やIoT関連アプリケーションにおける技術連携を相互に公平な立場で進めることを目的とし、この目的を達成するために、技術の共同開発や既開発技術の相互利用を推進します。https://rxconso-com.dw365-ssl.jp/index.html
建設DXは、「建設産業の魅力」を向上する手段
建設RXコンソーシアムは、建設企業間の協働と他産業の巻き込みへ
今は変化の過渡期、将来はロボットとも共生する現場に
野原: 大手ゼネコンは、早くから自動化やデジタル化などへ取り組み、研究費や開発費を注いできました。今回は、建設RXコンソーシアム会長であり、竹中工務店専務執行役員の村上陸太さんにお話を伺いたいと思います。まず、建設産業ではなぜDXが進みにくいのでしょうか。
村上: ざっくばらんにしゃべっていいですよね(笑)。皆さん、デジタル化を進める気はあるんですよ。私も若い時には技術開発をして、ロボットを作ったり、コンピュータが得意だったりしたので、設計や生産用のシステムを作るなどしていました。
ところが、狙いどおりに普及しませんでした。その理由はなぜか? 建設現場が「一品生産」で、しかも「現地現物で作る」からです。つまり、ゼネコンが建設現場のために新しい技術を開発しても、それは、その現場作業所でしか使えない技術の開発になってしまい、なかなか次の現場で使えないのです。
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