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建設DXで未来を変えていく

マイナビニュース / 2024年9月30日 10時0分

野原: 岸先生が普段から多くの学生と接していることを踏まえてお伺いしたいことがあります。人手不足と言われる産業は、これから新しい戦力として若い方たちに気持ちよく働いてもらう環境を作る必要があると思うのです。今の若い人たちは、どんな思考の傾向があると感じられますか?

岸: 世間一般では「今の若い人は根性がない」と言われるじゃないですか。霞ヶ関でも入省して2~3年で辞める人がとても多くなっていて、そうした状況を指して「根性がない……」と感じている層もいるようです。しかし、彼らは根性がないわけではないんですよ。

昔はとにかくしゃかりきに働いてお金を稼いだり、有名企業に入って安定した収入を得たりということが重視される価値観の時代でした。しかし、今の若い人たちは価値観が非常に多様化しており、それぞれが異なる価値観を持っているんです。

仕事に関しても、お金や安定も大事ですが、さらに自己成長や社会貢献への実感、ワークライフバランスや環境問題への考慮など重視するものが本当に多様になっている。それなのに、企業や役所といった組織側が、その多様性に対応できていないのです。

野原: だから、すぐに転職をする若い人が絶えないと。

岸: ええ。私は慶應義塾大学の他でも多くの学生に触れていますが、今の若い人たちは本当にポテンシャルが高いと感じています。頭脳であったり体力であったり、秀でているところはそれぞれ異なりますが、どの学生も必ずいいところがあります。そうした学生のポテンシャルを生かしきれずに退職させてしまっているなら、組織側の価値観が若者の生産性向上の障害になっているんじゃないかと思うんですよね。

だから若い人たちを理解して、彼らが頑張ろうと思えるような環境を作ることが、建設産業を含む全産業の課題になるでしょう。

●環境問題解決の鍵はエネルギーの「地産地消」
野原: 学生の興味関心のひとつとして挙げていただきました環境問題ですが、建設産業にとって環境問題への取り組みはDXと並ぶ最重要課題のひとつです。

建設産業が生み出すCO2の排出量は世界の排出量の3割を占めると言われています。日本は2050年カーボンニュートラルの実現(※4)を宣言してCO2削減に向けて動き続けていますが、この取り組みは日本にとってチャンスになり得るものなのでしょうか。

※4 2050年カーボンニュートラルの実現:2020年10月に菅義偉総理大臣(当時)が所信表明演説で「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。 すなわちカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言

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