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欧州の小型ロケット「ヴェガ」、最後の打ち上げ - 波瀾万丈の歩みとその未来

マイナビニュース / 2024年10月1日 12時33分

こうした動きは、欧州の宇宙開発にとって、またとない大きな変革である。長い間、欧州のロケットといえばESAが中心となって、欧州各国で分担して開発、製造し、アリアンスペースが運用するのが通例だった。しかし、スペースXの登場によるロケットの価格破壊や、再使用型ロケットなどの新しい技術、そして宇宙ビジネスの発展、市場拡大といった動きを背景に、産業界が中心となってロケット会社アリアングループが立ち上がり、そしてアリアン以外の企業も次々と登場し、欧州内の各国間での競争が起こりつつある。

これは、欧州における宇宙輸送の自立性の維持という観点からは、複数のロケットがあることは望ましく、また市場競争による価格低下や技術力向上などのメリットも見込める。一方で、すべての企業やロケットが生き残れるとは限らず、業界再編などの動きも強いられるだろう。

今後、欧州内のロケット開発競争によって、欧州の宇宙輸送は、そして国際的な衛星打ち上げ市場での立ち位置はどう変わっていくのか、大いに注目したい。

○参考文献

・VEGA SUCCESSFULLY LAUNCHES SENTINEL-2C INTO ORBIT | Avio
・ESA - Farewell to Vega
・ESA - Vega
・ARIANESPACE SUCCESSFULLY LAUNCHES EUROPE’S COPERNICUS EARTH OBSERVATION PROGRAM SENTINEL-2C SATELLITE | arianeSpace
・ESA MINISTERIAL COUNCIL: IMPORTANT DECISIONS REGARDING ARIANE 6, VEGA C AND VEGA E | Avio

鳥嶋真也 とりしましんや

著者プロフィール 宇宙開発評論家、宇宙開発史家。宇宙作家クラブ会員。 宇宙開発や天文学における最新ニュースから歴史まで、宇宙にまつわる様々な物事を対象に、取材や研究、記事や論考の執筆などを行っている。新聞やテレビ、ラジオでの解説も多数。 この著者の記事一覧はこちら
(鳥嶋真也)



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