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大河原克行のNewsInsight 第331回 隈研吾監修の新コンセプト空気清浄機、シャープが見据えた家電進化の新たな進路

マイナビニュース / 2024年10月1日 15時45分

画像提供:マイナビニュース

シャープは、隈研吾建築都市設計事務所(KKAA)のデザイン監修による新コンセプトの空気清浄機「FU-90KK」を発表した。KKAAが家電製品の監修を行うのは、今回が初めてになる。外装に本物の木材を使用し、家具のような佇まいを持ったデザインを採用。日本の伝統意匠である「簾虫籠(すむしこ)」や「障子」から茶層を得た木の縦格子を施しており、一品一様のホワイトオーク無垢材を、木工職人が一本一本を選定して、美しい木目と品質耐久性を達成。高品位なデザインを実現しているのが特徴だ。

価格は55万円。2024年10月21日から発売する。月産台数は最大で100台を予定している。ホテルや飲食店などの上質空間を求める法人用途を中心に販売するが、個人ユーザーも同社ECサイトで購入が可能だ。製品化に向けては、創業111年の老舗木工企業である山口県山口市の岡崎木材工業が協力している。

シャープの沖津雅浩社長兼CEOは、「シャープは、『まねされる商品をつくれ』という創業者の精神を受け継ぎ、数多くの日本初、世界初の製品を提案してきた。現在、ブランド事業を中心とした事業構造へと変革を図っている。私の役割は、シャープらしさを早期に取り戻すことである」と前置きし、「これからの家電の進化のベクトルはどこに向かうべきか。それは、機能や性能の向上だけでなく、デザインも含めて、多様化するお客様のニーズや利用シーンに寄り添った商品を提案し、家電の新たな価値を生み出していくことである。KKAAという世界的な建築事務所との戦略的な協業により、こけからの家電の新たな可能性の一端を示したい」と意気込みを示した。

また、建築家の隈研吾氏は、「この空気清浄機は、家電ではなく家具であり、さらに家具を超えたものだと思っている。特別なものができた。世界に誇ることができるプロダクトといえ、家電の歴史に新たな1ページを刻むものになる」とし、「外観は機械っぽくしたくないと考えた。空間に置くだけで、空間全体が変わる空気清浄機を目指した。木のスリットから出てくる空気は、吹き出し口から出てくる空気とは異なる特別な感じがある。木が特別な安心感をもたらしてくれる。これがこの製品の一番の特徴である」と位置づけた。

これまでに木目調デザインの家電はあったが、本当の木を使った家電はシャープでは例がない。

さらに、「ルーバー部分は5mm×10mmの寸法で加工し、天板の薄さは3mmで加工している。いずれも家具には絶対に使わない寸法である。これは、日本が世界に誇る指物師の技術レベルによって達成したものだ。プラズマクラスターによって実現する特別な空気の質に見合った外観ができれば、世界中がびっくりする新たな機械が誕生すると考え、シャープの最先端技術と、日本の伝統の力をうまく組み合わせることに挑戦した。シャープは、私たちの要求に対して、熱い熱意で応えてくれた。こちらも頑張ろうという気になった」などと述べた。

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