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練習を重ねて「目指せ1勝」。全日制高校eスポーツ部が挑む大会出場のリアル

マイナビニュース / 2024年10月8日 16時7分

とはいえ、それは八幡工業高校にとっても想定内。バンピックではおおむね狙い通りの構成でピックすることができました。バンピックが終わり、ついに初戦のゲームがスタート。試合はBo1なので、1ゲームにすべてが懸かっています。

八幡工業高校は、これまでの練習試合での試行錯誤の末、3年生が担うトップとジャングルを中心に試合を動かしていく方針を立てていました。ところが、ゲーム序盤に思わぬハプニングが起きます。

トップレーナーの生徒の使うPCにトラブルが発生し、ポーズをかけてゲームを一時中断。違うPCに移動して、試合を再開することになりました。このアクシデントの影響で、トップレーナーの生徒は思うような試合運びができず、苦しい展開に追い込まれてしまいます。

相手チームは、ゲーム内ランクからミッドとジャングルが3年生、ボットレーンの2人が1年生だろうと推測されていました。八幡工業高校は、まだ経験の浅い1年生がミッドを担っているので、もともと苦しいマッチアップ。となると、実力的に上回っていると予想されるボットレーンで、なんとかチャンスを広げたいところです。

しかし、相手チームはジグスでミニオンを処理しながらも、タワー下から出ず交戦を避ける作戦を取ってきました。これに対してボットレーンの2人は、どう攻めるべきかわからず、優位をつくれない状態が続きます。これは、相手の作戦が一枚上手だったと言わざるを得ないでしょう。

最終的には、じわじわと全レーンが押されてしまい敗北。八幡工業高校は、残念ながら切望した1勝には手が届かず、大会敗退が決まってしまいました。チームで何カ月も練習を重ねてきて、30分前後のたった1ゲームで終わってしまうとは、なんとも厳しい現実です。

ただ、これは決して八幡工業高校だけが経験していることではありません。大会はシングルエリミネーションで行われているため、出場チームの半数である70チームが、わずか1ゲームで敗退しているのです。高校生大会における1勝が、これほどまでに重いものだとは想像していませんでした。

これを踏まえると、ダブルエリミネーションやBo3にするべきなのではないかと感じてしまいます。ただ実際には、高校生大会はプロシーンほど実力が拮抗しているわけではありません。もちろん接戦がくり広げられることもありますが、1ゲームで明確な差がつく試合が比較的多い傾向にあります。

なにより、高校生大会には多数のチームがエントリーしているため、試合数を増やすと膨大な時間がかかってしまいます。eスポーツ部にとって高校生大会は重要な目標ですから、試合数を増やすために出場できない高校が出てきてしまったら本末転倒でしょう。となると、少なくとも現状は、これが現実的な試合形式なのだろうと考えられます。
全日制高校eスポーツ部のなかでも、強さを分ける要素とは?

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