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テレビ解説者・木村隆志のヨミトキ 第79回 『キングオブコント2024』松本人志不在による審査への影響は…『M-1』にも影を落とす決定的な課題

マイナビニュース / 2024年10月15日 11時30分

審査員たちは「じゃあお前がやってみろよ」と思うかもしれないが、それは王者に輝いたトップとしての使命だろう。視聴者の中には「面白かった」という感想や好みではなく、採点の理由や技術的な分析を聞きたがっている人が多いだけに、それが王者の必然性につながっていくのではないか。その意味で来年の大会は「面白かった」「好み」というフレーズを禁止してみたらちょっと面白いかもしれない。

○現役だから「好み」は自己肯定に

もう1つ気になったのが、現役のコント師が審査員を務めることによって、「好み」を自己肯定とみなすような人々が少なくなかったこと。つまり、「自分のコントに似ているものを高評価する」という審査傾向を感じていた人が一定数いたことになる。

前述したように「好み」はそれなりにあって当然であり、それは「コント」に限らず多くの審査に該当することだろう。しかし、それが自己肯定とみなされてしまうのなら、審査員としての資質を問われかねない。

Xに「飯塚には新しい設定、秋山には理由なき面白さ、山内にはもう1展開が必要」などと高得点をもらう方法を指摘するコメントがあった。小峠がドリフのようなニッポンの社長を最高得点にしたことも含め、「現役コント師だからこそ審査員自身のコントと重ね合わせて見られてしまう」ところは気の毒だが受け止めなければいけないところではないか。

一方、昨年大会までの松本は自身の笑いとは遠そうなコントも評価する傾向があった。飯塚が評価しそうな設定も、秋山が評価しそうな理由のなさも、山内が評価しそうな1展開も幅広く称えていたように見えたが、それは不在だから感じることなのか。

松本が現役コント師ではなく、そもそも漫才ベースの芸風だからそういう審査になるのか。それとも、審査員としてのキャリアが長いから広い視野が持てるのか。松本が不在になったことによって、現役との違いを考えさせられたことは間違いないだろう。

ともあれ、現役が自分のネタに近いものを評価し、遠いものを低評価する傾向を感じられてしまったら誰も得をしない。「日ごろそれを『面白い』と思って作っているわけだから仕方がない」という言葉で済ませるのではなく、彼らほどのキャリアと技術があれば、もう少し柔軟な対応ができるのではないか。

少なくとも、「結局ニッポンの社長が一番笑った」「ダンビラムーチョが一番面白かった」などのコメントが多かったのは確かなだけに、そんな視聴者目線を無視しないほうがいいように見える。

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