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追加エンディングは必見! リメイク版『SILENT HILL 2』の感情表現に胸を打たれた

マイナビニュース / 2024年10月18日 10時22分

原作からの変更点は多岐にわたるが、リメイクで最も影響の大きな変更は、俯瞰から肩越し視点への変更だと感じた。マップは原作のロケーションを再現しているが、肩越し視点になったことで全く新しいものに生まれ変わっている。

これに伴い、クリーチャーの配置も、プレイヤーの視野を踏まえたものになった。つまり、プレイヤーは物陰や死角に怯えながら進むことになる。

原作にあった携帯ライトは本作でも活躍するが、周囲を照らす心強い味方にはなってくれない。見たくないものを照らさなければならないし、かといって進むためには消すわけにもいかない。絶妙な光量でプレイヤーを導く。

一方で、肩越し視点への変更は恐怖を煽るばかりでもない。クリーチャーの姿をよりよく観察できるようになったことで、改めてそのデザインの魅力に気付かされる。

たとえばライングフィギュアは、非生物的な質感が伝わってくる。ライングフィギュアによく似たクリーチャーに、映画版『サイレントヒル』に出てくる「アームレスマン」がいる。こちらは腕も顔もない点が共通しているが、全身に血管や骨格が浮き出て、かなり生き物っぽい。

対して、本作のライングフィギュアはゴムに近い質感だ。原作と比べても、ツルッとしているゴムっぽさが目立つ。クリーチャーの表現として、アームレスマンのような血管や骨格を強調する方向性も考えられる一方で、本作では無機物と生々しさの両立が、唯一無二の個性を光らせている。

この異質な造形が、『SILENT HILL 2』の魅力だと、改めて気付かせてくれるのだ。とはいえ、プレイ中は感動する間もなく滅多打ちにするわけだが。

新たなサウンド・デザインもまた、肩越し視点の没入感に貢献している。原作ではクリーチャーの登場時にラジオノイズが鳴り、プレイヤーの焦燥感を掻き立てると同時に、クリーチャーの存在を知らせるヒントにもなっていた。

本作はラジオノイズ以外に、3D音声によって表現された物音が恐怖を煽る。実際はクリーチャーとは無関係の音も多い。それでも怖い。なんでもない音でも、「今の何の音!?」と過剰に意味を求めてしまう。限られた視野とあいまって、不吉な想像が膨らんでいくのだ。
人は確かにこういう表情をする。深みの増したキャラクターたち

クリーチャーと等しく、『SILENT HILL 2』において心に残るのは、霧の街に迷い込んだ人々の描かれ方だ。キャラクターたちは、リアリスティックな造形になるとともに、より細やかな表情の変化が読み取れるようになり、心情の奥行きが感じられるようになった。

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