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追加エンディングは必見! リメイク版『SILENT HILL 2』の感情表現に胸を打たれた

マイナビニュース / 2024年10月18日 10時22分

印象が最も変わったのはジェイムスだ。優しさと頼りなさが同居する顔、下がり気味の眉尻、ときおり見せる放心しきった表情。本作のジェイムスは疲れ切った1人のリアルな人間であるように感じられる。原作よりもやや年を取ったように見え、場面によってはさらに老けて見えた。苦境に追い込まれると人間は急激に老け込むもので、そういう表情がまた、説得力がある。

俯瞰で操る旧作ジェイムスは表情を伺える機会が少なかったが、リメイク版では表情が読み取れるシーンも多い。たとえばトイレに手を突っ込む場面。本当に嫌そうな顔をする。

初見プレイでは、なぜここまで嫌な思いをしながらも淡々と前に進めるのか、ジェイムスに対して疑問を抱く人もいるだろう。ジェイムスはヒロイックな主人公ではない。にもかかわらず、危険なクリーチャーに対処するし、銃や刃物を持った生身の人間を諭すこともできるし、大穴にも飛び込む。

これほど表情が雄弁に語るリメイクにおいて、危険な目に遭いながらジェイムスは恐怖に怯える表情をほとんど見せない。その理由はストーリー全体を踏まえれば色々考えられる。本作のキャラ描写は解像度が高くなる一方で、さまざまな解釈が可能な余白も残されている。このバランスが素晴らしい。

ジェイムス以外のキャラクターもまた、見せ場が増えている。特に準主役ともいえるマリアは、同行イベントが追加されているのもうれしいポイント。しかし、ジェイムスとマリアの掛け合いはなんともいえない微妙な距離感だ。マリアと対峙するジェイムスの態度は見どころの1つだろう。

サイレントヒルには、物語冒頭で出会うアンジェラや、街中で出会う内気な青年エディーなど、情緒不安定な人物たちがいる。だが、キャラの背景事情について、多くは語られない。どのキャラも、ジェイムスとのコミュニケーションのために言葉を発するというより、一方的に内心を吐露しているように見える。プレイヤーはジェイムスと同様、困惑しながら、各々が抱える問題と半ば強制的に向き合うことになるだろう。

リメイク版では、追い詰められている人間の危うさを、より迫真に迫った形で描いている。たとえば、オリジナル版にも存在するアンジェラの印象的なセリフ「ドントタッチミー!」は、原作にない追加イベントで発せられる。

場面が異なるので当然ニュアンスも異なるが、原作で「触るな!」という感じだとすると、本作では「殺すぞ!」ぐらいまでニュアンスとして伝わってきた。どちらも素晴らしい演技だが、リメイクではアンジェラの辛さがより感じられた。

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