欧州の宇宙開発、新章へ - アリアンスペースが語るロケットと市場の未来
マイナビニュース / 2024年10月18日 17時59分
アリアン6初飛行の問題は解決、年内にも2号機の打ち上げへ
当初、アリアン6の最初の打ち上げは2020年に計画されていたが、技術的な問題や新型コロナウイルス感染症の流行の影響で、4年以上の遅れが生じることになった。
そして今年7月10日、アリアン62は初飛行に臨んだ。地球を回る軌道に到達し、技術実証ミッションとしてはおおむね成功といえる結果を残した。
しかし、計画では第2段エンジンは計3回の着火を行い、3回目の燃焼で軌道から離脱することになっていたものの、不具合により着火できなかった。
その後の調査で、第2段に搭載されている「APU(Auxiliary Power Unit)」という新開発の装置が故障していたことが判明した。APUは、推進薬である液体水素と液体酸素の一部を加熱し、ガスを発生させ、タンクを加圧したり、噴射して姿勢や加速度を制御したりといったことに使われる。この装置の故障により、3回目のエンジン着火ができなかったのである。
イズラエル氏は会見で、「現在、初飛行のさまざまなデータを詳細に分析している段階」としたうえで、「APUの問題については、すでに原因を解明した。次の打ち上げでは是正される」と語った。
また、「すでに後続機の生産も進めており、2号機の打ち上げに備えている。2号機ではフランスの光学衛星「CSO-3」を打ち上げる。年内には打ち上げたい。日時など詳細は打ち上げの1か月前には公表したい」とも語られた。
さらに、アリアン6はこれで完成ではなく、段階を踏んで改良し、性能や能力を徐々に伸ばしていくことになっている。現在、「ブロック2」の開発が進んでおり、2026年にも打ち上げるという。
ブロック2では、主に次の5点が改良される。
○衛星搭載アダプターの改良
直径2624mmの、より大きく重いペイロードが搭載できるアダプターを開発
○上段液体推進モジュール(第2段機体)の改良
乾燥質量(推進薬以外の質量)の最適化(軽量化)
第2段エンジン「ヴィンチ」の推力向上
低軌道に大質量のペイロードを打ち上げる際の、推進薬搭載量の増加の実現
○下段液体推進モジュール(第1段)の改良
第1段エンジンの後部ベイからダンパーを削除し、質量を減らすなどの最適化
○固体ロケットブースターの改良
推進薬搭載量を従来の142tから156tに増やしたP120C+モーターの開発
新しい上部アタッチメント
ノーズ・キャップや下部アタッチメントの改良
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