大河原克行のNewsInsight 第337回 旅行だけではないAirbnbの日本戦略、地方の活性化もカギに
マイナビニュース / 2024年10月29日 14時57分
Airbnb Japanは、日本での事業戦略について説明。Airbnb Japan 代表取締役の田邊泰之氏は、「日本にとって、大切なツールとしてAirbnbを活用してもらえる環境を作りたい。より多くの市町村にAirbnbを理解してもらい、ゲストとなる利用者にもメリットを理解してもらうことが重要である。ホームシェアリングの浸透により、地方の活性化にもつなげたい」と基本方針を示した。
Airbnbが日本で事業を本格化したのは2013年。すでに10年強を経過している。
当時は、欧米では口コミでAirbnbのメリットが広がり、利用者が増加するなか、日本をはじめとするアジア地域での利用者が増えないことが課題になっていた。
とくに日本では、言語の壁もあり、国内の利用者がなかなか増えない状況にあった。だが、その一方で、海外の利用者に最も人気があるのが日本であり、それに対応するために、まずはホストを増やすことに注力したという。全国各地で情報交換を行う場を設定し、ホームシェアリングのメリットなどを訴求。ホスティングをした人たちを中心に口コミで、Airbnbの魅力が伝わっていったという。2017年には、日本が、グローバルで最も多い旅行先になったという。
その後、日本国内のユーザー拡大に本格的に着手する計画を打ち出したが、コロナ禍では旅行需要が大幅に減少。さらに、訴求の機会に捉えていた東京オリンピックが、1年延期になるとともに、無観客で開催されることが決定したことで、マーケティングプランの大幅な見直しを迫られることになった。
Airbnb Japanの田邊代表取締役は、「宿泊先として、多くのホストが登録されている。今後は、それを利用する日本の人たちを増やしていくことになる。2025年には、大阪・関西万博をはじめとして、大型イベントが日本で開催される。都市部への旅行だけでなく、多くの宿泊先を持つ強みを生かして、地方への旅行も促進したい。暮らすように『エアビー』してもらい、様々な地域を訪れる分散型の旅を推進していきたい」と述べた。
こうした事業方針にあわせて、Airbnb Japanは、2024年10月から、広告展開を強化する。
YouTubeやNetflixなどのオンラインストリーミングサービスのほか、テレビや屋外看板などで広告を展開する。友人や家族同士が、週末に集まって、家を借りて、わいわいするといった提案を強化していくことになるという。
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