1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

船で火災が起きたら? 海難事故に遭ったら? 船員と船舶の安全を確保する「STCW基本訓練」

マイナビニュース / 2024年11月20日 13時51分

救命胴衣を着た場合、水中で体育座りのような姿勢をとる「熱損失低減姿勢」や、周囲の人との円陣を組む「集団密集体系」、縦列隊形で移動する「集団移動隊形」を訓練します。「熱損失低減姿勢」は大きな血管が通る腋窩や鼠蹊部、肘の内側や膝裏といった太い動脈をカバーすることで体温の低下を防ぐ姿勢です。

また、救命胴衣やイマーションスーツなど浮力体を持たないで浮く状況を想定した訓練も。万が一、不意に海中に転落したり、救命胴衣を着用する余裕なく海中に脱出する可能性もあります。救命胴衣の浮力がない場合、うつ伏せで浮く「伏し浮き」や仰向けで浮かぶ「背浮き」をすること。最小限の運動で浮いて体力を温存し、長く救助を待つことができる浮き方です。

○救命筏の反転復正と乗り込み

続いて、救命筏(いかだ)を使った訓練へ。船舶に備え付けられた救命筏は、海上に浮上させる際まれに反転してしまうことも。正しく乗るために、体重をかけて反転復正の練習を行います。

風向きを確認し、風下に炭酸ガスのボンベが位置するように動いたのち、炭酸ガスボンベに足をかけ、救命艇の裏面上部に上がります。

反転復正用の紐を持ち、息を大きく吸い、背筋と肘をしっかりと伸ばし、体重を後ろにかけて反転。紐をたどって救命筏の底から速やかに抜けます。脱出後は外周にある救命索をしっかりつかみ、筏から離れないようにしましょう。

救命筏が正しい位置になったら、乗り込み口から筏へ。すでに乗り込んでいる人が引き上げたり、海中にいる人が押し上げたりと、連携しながら素早く乗り込んでいきます。乗り込んだのち、オールでなるべく遠く離れた安全な場所へ移動。筏の移動方向で移動先を指示する人、櫂を持ってこぐ人と、ここもチームワークが必要です。生存率を高めるためには「必ず生きて帰る」という気持ちが大切だと学びます。

○船舶火災に備える「消火訓練」

もうひとつの訓練が「消火訓練」。こちらも座学で説明をうけたのち、防護用具をつけて準備をします。
防護用具は、火炎からの放射熱や蒸気などによる火傷を防ぐため、耐熱・防水性のある防火服、絶縁性と耐熱性のある素材で作られた手袋、長靴、そして頭部を守るヘルメットを着用します。

そして煙やガスが充満する中で作業することを想定して、高圧の空気を充填したボンベを背負って使う自蔵式呼吸具の装着方法も学びます。容器内の空気残量が少なくなると、警報機が作動するそう。
○消火器や射水消火装置を使った消火活動

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください