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船で火災が起きたら? 海難事故に遭ったら? 船員と船舶の安全を確保する「STCW基本訓練」

マイナビニュース / 2024年11月20日 13時51分

消火の訓練では、水を使った消火、粉末消火器・炭酸ガス消火器・泡消火器を使った消火を行います。消火器ごとに使い方や噴射する対象が異なるため、それぞれ正しい使い方を覚えましょう。

出火初期のまだ規模が小さい段階では、主に消火器による消火活動を行います。火災を発見したら大きな声で周囲に呼びかけ、安全ピンを引き抜きホースを外してテスト噴射をします。「粉末消火器」の場合、テスト噴射をしたのち、腰を落とし火元に対して半身の姿勢で向かい薬剤を噴射。消火器は使い切りが基本なので、火が消えた後でも薬剤がなくなるまで噴射を続けます。

「炭酸ガス消火器」は、油の火災や電気設備や電気器具など感電の恐れがある電気施設を含む火災に有用な消火器です。炭酸ガスで酸素を遮断し消火するため、機器への二次災害を抑えられることも特徴。静電気を放電させるため地面や床に設置した状態で移動することや、火元を上から覆って窒息させるイメージで噴射すること、また閉所での使用は酸欠事故が起こる可能性があるなど、座学で学んだポイントを復習しながら実践していきます。

石油やガソリン、油脂類など油の火災に効果の高いのが「泡消火器」。混合タイプと蓄圧タイプの2種類があり、今回の訓練では混合タイプを使用します。ホースを抑え、逆さに倒して中の消火液を混ぜたのち、壁面に当てて流れ落ちた泡で火元を覆うように放射。放射距離が長いので、噴射する位置も考慮して消火活動を行います。

また、泡消火器を使って消火した場所で要救助者の捜索を行うことになった場合、泡で足元が滑りやすく、障害物が見えづらい状況に。その状況を想定し、滑って転ばないよう安全確認しながら通過する訓練も行います。

大規模な火災に備え、消火ホースを使った消火活動の訓練も。ひとつのホースに対して4人が1チームとなり、放水口のノズルを持つ「ノズルマン」、ノズルマンの補助にあたる「サブノズルマン」、周囲の状況を監視しホースを抑える「ホースマン」、火災現場全体の状況を把握してホース操作の障害となるものの排除や、ホースのねじれなどをコントロールする「タグラインマン」とそれぞれの役割を担います。

大規模火災の場合、直射用の可変ノズルと、高いところや配管が絡み合うところに微粒子噴霧を行うアプリケーターノズルを並列して使用し、死角を埋め合いながら消火活動を行います。
○煙が充満した区画での救助活動

消火活動の訓練が終わった後は、煙の充満した区画での呼吸具を用いた消火活動・救助活動の訓練へ。こちらの訓練も4人一組でチームを組み、それぞれ役割を分担しながら進めていきます。

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