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東奔西走キャッシュレス 第68回 じっくりとマイナ保険証Q&A

マイナビニュース / 2024年11月19日 20時58分

日本の健康保険制度上、民間の保険者、しかも多くが赤字を抱えている中、さらにコストがかかるIC化を求めるのは難しいため、国が予算を付けるマイナンバーカードに集約するのは自然な流れでしょう。

諸外国では台湾、フランス、ドイツを始め、保険証をICカード化している国は多く、さらに欧州では今後「EUデジタルIDウォレット」というスマートフォンに健康保険証などを保管するサービスも開始しようとしています。日本でも、今後AppleやGoogleのウォレットにマイナンバーカードが搭載される見込みです(結果としてマイナ保険証も使えるようになります)。

今後の医療DXにおいて、電子カルテや電子処方箋は重要な役割を担っています。こうしたデータをほかの医療機関でも利用できるようにするのが医療DXの一環ですが、本人確認ができない健康保険証だと共有できないため、医療機関や薬局では情報を確認できません。そのため、マイナ保険証がその入口になるわけです。

こうした「最低でもICカード」という状況では、「いつ切り替えるか」という点が課題となります。その性質上、マイナ保険証はメリットを出しづらい仕組みです。情報が自分で確認できるので自分で健康管理が可能になることや、健康情報と健康サービスを組み合わせて、よりパーソナライズされた健康増進プログラムを提供できるなどといった、健康サービスに繋げることで魅力を出せるか、なかなか難しいかもしれませんが、医療の効率化に繋げたい国としてはここで普及させたいところでしょう。

なぜ今このタイミングか、というのは難しい判断です。何もしなくても少しずつマイナ保険証の利用率は上がっていくでしょう。恐らく、半数を超えても反対する人は反対しますし、課題はいつまでも存在し続けます。逆に言えばいつでもいいとも言えます。廃止のタイミングは国が責任を持って判断し、それによる不利益が極力発生しないように改善しつづけるしかありません。

現状、国の施策が万全とは感じませんが、良くなってきています。国も施策を進めながら問題を認識したらテンポ良く修正することが、信頼の拡大に繋がるでしょう。

小山安博 こやまやすひろ マイナビニュースの編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。最近は決済に関する取材に力を入れる。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、PC、スマートフォン……たいてい何か新しいものを欲しがっている。 この著者の記事一覧はこちら
(小山安博)



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