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土木DXの勘所とは?MODEがセミナー開催、JR東日本や大林建設がBIMの活用を紹介

マイナビニュース / 2024年12月3日 7時30分

有識者の2人目として登壇したのは、法政大学 デザイン工学部 都市環境デザイン工学科 教授 今井龍一氏だ。同氏は「土木DXの勘所」と題して、業務のICT化やDXを進めていく上でのポイントを紹介した。

今井氏は、DX白書や国際通貨基金(IMF)のレポートを示しながら、AI活用が勝ち組になるためのポイントと指摘した。

「AI活用のポイントは大量の文書ドキュメントの有無です。建設産業では、工事完成図書という膨大な文書があり、デジタル化が進んでいます。それをAIに学習させてしまう。したがって、建設産業は、AIを導入するかどうかによって格差が一気に広がる可能性が極めて高い領域といえます」

また今井氏は、高齢化と人口減少が続く日本においては、ICTを導入してもっと生産性を上げる取り組みをしていかないと、業界として深刻な状況になっていくと警鐘を鳴らした。

そして、ICT化のポイントは、生産性を上げ、省力化、効率化することだが、それだけでは足りないという。従前の仕事のやり方、いわゆる業務プロセスにツールを入れることによってどれだけ生産性が上がるのか、ICTを生かす上で制度が障壁になっていないかといったことも含めて考えていく必要があるとのことだ。

今井氏は、現場での運用を含め、技術、制度、運用の3点セットをしっかりと検討していくことが重要だと指摘した。

データの活用という観点からは、目的を達成するために一から全部作っていくのではなく、知恵を絞って隣でやっているものを加工することによって、自分たちの用途を満たすものを作り出すという方向性に言及した。

「スマートフォンにはセンサーが入っているので、いろいろなデータを取ることができます。ただ、自分たちの用途に合致するものを作ろうとすると、満足できないことは多々あるので、知恵を絞って、自分たちの要件に満足するものを取り込んでいく。そういう発想が、DXを進めていく上でポイントになってくると思います」(今井氏)

今井氏は、DX/ICT化を進めていくときに気をつけるポイントとして3つ挙げた。

1つ目は、AIはあくまで探索システムのため、学習させている以外のことを求めても答え出すのが苦手で、音声、画像、テキストの順番でICT化しやすいという点。

「画像に関しては、人が見て判断できることはAIでも判断できますが、人が見て判断に悩むものはAIも悩みます。そういう認識を持ってください」(今井氏)

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