1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

土木DXの勘所とは?MODEがセミナー開催、JR東日本や大林建設がBIMの活用を紹介

マイナビニュース / 2024年12月3日 7時30分

2つ目は、完璧を求めないこと。

「人がやっていたときは70点程度なのに、コンピュータがやるとなった瞬間に、なぜ100点求めるのですか? 精度を求めていくとコストに跳ね返って、ランニングコストが持たなくなってしまいます。要件を満足するギリギリのところを狙っていく、そのセンスが重要だと思います」(今井氏)

3点目は、要件を満足するICTを見極めることだ。新しい技術を開発し、それを展開していく際はマネタイズの観点が重要で、ICT企業やスタートアップと連携する場合は、建設産業のことを理解してもらうことが重要だという。

最後に今井氏は、データの原本性・追跡可能性について触れ、講演を終えた。

「データに対する品質を保証するというブランディングと、不足の事態があったときにこれは私たちが作ったデータではないといえるディフェンスの両方ができるような世界を作っていく必要があります。そのためには、データの原本性と追跡可能性の両方を担保できるような仕組みを作っていく必要があるでしょう」(今井氏)


JR東日本はBIMをどう活用しているのか

土木DXセミナーでは、企業のICT活用事例として、JR東日本、前田建設、大林組の担当者が登壇して、自社の取り組みを紹介した。

JR東日本 建設工事部 基盤戦略ユニット(技術戦略・DX)の岡本健太郎氏は、社内でのBIMの取り組みについて紹介した。

同社は、調査計画、設計、発注、施工、維持管理というサイクルにおいて、最初の調査計画の段階から3D BIMモデルを作り、設計、発注、施工を行っているという。

設計段階で必要な構造計算がBIMモデルでできると、その後の発注の段階で数量や工事費がBIMモデルから自動で出てくる。施工の段階でも好きな断面で切って鉄筋を組み立てたり、コンクリートを打ったり、盛り土をしたりといった必要な情報がすべてBIMモデルから属性を通じて得られ、竣工した後も、出来上がったモデルを見ながら維持管理ができるそうだ。

「いつこの修繕をしたのか、何の修繕をしたのかがすべて属性で残っている。そんなサイクルができないかということで、BIMモデルを使って動き出しています」(岡本氏)

実際、見通し確認でBIMを活用しているという。

ホームを工事する際は仮囲いを行うが、仮囲いを作ると、乗務員は信号機が見えなくなる場合があるため、見通し確認が必要になってくるという。そこでこれまでは、モックアップ作って、終電から始発までの間に確認していた。だが現在は、実際の写真や点群データを組み合わせながら、BIMモデルで運転士目線の動画や説明資料として使い、大きな効果がでているという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください